「九九」って、単に唱えていれば自然に覚えるでしょ?
と思っていたのに、子供が全然覚えられずに落ちこぼれ。
どうすればいいの・・・Σ(゚д゚lll)
実は、九九を唱えるだけでは覚えられない子供もいるんですよね。
子供にはいろんな特性があって、声に出して唱えたり、耳で聞いて覚えるのが得意な子供もいるし、そうでない子供もいるのです。特に極端なのが発達障害児で、こういうのが不得意だと学校で教わるだけでは全然理解できないまま落ちこぼれてしまうケースも多いです。
算数は積み重ねが大切なので、ここで落ちこぼれるとその後の勉強も理解できずに困るんです。
ウチの娘はこの躓きが致命傷となり、不登校になり数年間の勉強遅れが出てしまい、今苦労している最中です。
九九の覚え方で発達障害向きの方法は?
発達障害の場合、その特性によって全然合う覚え方が異なります。
学校の指導や塾などの場合、
・暗記カード
(・九九の歌を聴く)
この方法が主流ですよね。
定型発達の子供は脳の発達が比較的バランス良いので、
口に出して(唱える)、
目で確認する(暗記カード)
この3つがあれば覚えられることが多いです。
でも、発達障害の場合は脳の発達がアンバランスなので、
口に出して唱えると、唱えることに集中するので言葉が理解できない、
目で見て文字は読めるけど、それがどんな意味なのか理解できてない。
こんな感じになってしまうのです。
コレ、ウチの娘の症状そのままでした(。-_-。)
まあ、娘のように3つとも当てはまるのは珍しいケースかもしれません。
でも、3つの中の1つでも該当すると、それだけでも覚えるのが大変なんですよね。
では、発達障害の場合にどんな覚え方が良いのかというと、特性や、本人の興味が算数や九九に向いているかによって異なるため一概には言えないのです。
なので、様々な方法を1つ1つ試していくしかないのかもしれません。
(本人の特性を知っていれば、それに合う方法が見つかりやすい可能性はあります。)
では次に、具体的に我が家で試した方法等をお話しします。
九九を覚えられないで苦労した実話
九九を学校の授業で覚えられない!
ウチの娘が小学2年生の時に学校で覚えられなかった方法は、よくある「唱える」と「暗記カード」と算数ドリルによる問題演習、毎日の確認テスト(先生の前での音読)でした。
この当時の宿題は、毎日九九の暗記でした。

今日は、2の段の暗記をしてきましょう!
というような内容だったのです。
で、家で私も娘と一緒に唱えようとしていたのですが、
・興味のないことに集中するのが難しい
・興味のないことは覚えるのが困難
こんな感じで、とりあえず一緒に1回は音読するけど、

もう嫌だよ!
と言って終了していました。声を出すと口と喉が疲れるんですよね・・・。だから、学校でもテストできちんと九九を唱えられなかったのです。
なので、交流級での授業は無理だと言われて個別授業のできる支援級での授業に切り替えたのですが、支援級の先生の指導もやはり同じで、九九を唱えて暗記する方法だったのです。
その結果、娘は九九の音読も嫌になり、演習問題の九九プリントを解くよう言われても出来ないし。結局、やる気を失って、机に突っ伏したまま1時間過ごすようになりました。
それを見た先生は何回か叱ったようですし、毎日の連絡帳での報告は
だったんですね。

この時は支援級で完全に1対1の個別授業だったから、暗記とか暗唱でなく、別の方法で九九を教わることができないのか、と感じてしまいました。
九九を家で覚える試み
学校の先生からの報告がこんなネガティブなことばかりだったので、学校を頼りにしてはいけないと考え、どうやったら九九を覚えられるのか色々調べてみましたた。
その中の1つに、発達障害児の場合には、音の聞き取りが難しいケースがあるという話がありました。
特に、以下の数字の読みは普段の読み方ではないので耳慣れないのです。
4→し
7→しち
8→はち、はっ
なので、発達障害児の場合には、日常使っている読む方で唱えるほうが覚えやすいケースもあると聞いたので、九九表を読みやすいよう改善してみました。→かけ算九九表(PDFファイルを開く)
99tokusyuこうすることで、読みやすさや聞きやすさが娘には良くなったようです。でも、九九表を覚えることに関してはほとんど進歩がありませんでした。
九九を覚えるための教材
なかなか九九を覚えられなかった娘にもっと合う教材をと考え、以下の本や道具を購入しました。
(もちろん、1つ試して駄目だったので次を、という形で1つずつやりました。)
九九の歌(ドラえもん)
娘が小学1年生の時に、そろばん体験教室に行ったところ、その会場でドラえもんの九九の歌を初めて聴きました。そこで娘が気に入ったので、家でも聴けるようにと考えてCDを購入しました。
と言われたので、

おお、なるほど~!
と思って直ぐにCDを購入してしまったのです。
でも、娘の場合は何回聴いても覚えられないし、覚える気がないようで。
娘は、CDの九九の歌や本の内容でなく、ドラえもんのキャラクターの「絵そのもの」ばかり注目してしまったのです。そして、全く覚えずにCDを聴くことに飽きてしまいました。
TOSSかけ算九九計算尺セット
九九の量的なイメージが見て分かる計算尺です。
娘の場合、言葉だけだと意味が理解できていない様子だったので、こういう視覚情報があれば文字や音と一緒に認知できるだろう、と思ったのです。
でも、買った当時は算数だけでなく勉強そのものを嫌がるようになっていたので、少ししか使えませんでした。
この道具はかなり優れた教材だと思うのですが、これを使って教える側が良さを理解して根気よく子供に教える必要があるんですよね。当時はまだ私も娘にどう教えたら良いのか分かっていなかったので、娘が興味を持つような教え方が出来なかったのです。
算数のじかん
算数の意味がよく分からない子供のために様々な単元のサポート教材が用意されている本です。
必要な教材についてCDから印刷できるのでとても便利です。
発達障害に関する知識があまりないお母さんでも、子供が苦手な単元がどこか分かれば、その部分だけ印刷して学ぶことができるので便利です。
ただ、我が家の場合には掛け算九九でつまずいて娘がやる気なくしてしまったため、他の部分をやってみようか・・・という気持ちにならずに使わずに放置してしまいました。
らくらく算数ブック2
小学5年生の時に不登校になったので勉強を再開しようか、と娘と話し合い、買ったドリルです。
この2巻は小学2年生向きの問題となっています。3桁以上の足し算引き算から、掛け算九九などの内容があります。タイルによる図解なので計算をスモールステップで考えることができます。なので、娘にはちょうど良かったです。
ただ、このドリルは頑張って一冊終えたのに、足し算引き算に対する苦手意識は根深かったし、九九も全然覚えられず活用できず・・・Σ(゚д゚lll)
強育ドリル(初級編、中級編)
ということで、

普通に九九が出来ないのであれば、パズルのような遊び感覚で学ぶ方法を考えてみよう!
と考えて探したのがこの本でした。
初級編では本当に簡単な九九が中心で、そこを解くことで2から5程度の組み合わせの掛け算については少しずつ理解ができてきました。
ただ、中級になると6から9の組み合わせも多くなるし、パズルの目が細かくなります。なので、難しいという意識が強くなりました。
なんとかサポートしながら2冊の本を全て解き終わり、

これだけやれば掛け算のイメージもそろそろ身につくかも?
と期待していたのですが、結果は全然駄目でしたorz
九九を覚えることができたきっかけ
これだけ様々な教材などを使っても覚えられなかった娘が、ようやく中学2年生になって覚えることができました。その、覚えられたきっかけは、私がある時説明した言葉でした。

9×7というのは、9個の集まりが7個集まってるんだよ。
この言葉を聞いた途端、娘は

掛け算の意味ってこういう事だったのね!
と理解できたそうです。それまでは掛け算の意味が全く分からなかったけど、その一言で分かったのだそうです。
でも・・・

えっ・・・ソレって昔から言ってたはずだし、様々な教材で勉強していた時も同じような説明があったはずだけど・・・。
しかも、ぴったりの教材も勉強したはずなんだけど。
そう考えると、小学校時代にあれこれ教材を探しまくって試してみたことは間違いではなかったのだけど、その教材を使って娘が本当に理解しなければならないツボを見誤っていたということなんですね。
九九は覚えなくても良い、と分かると気楽になれる
九九は覚えるのが当然、と思い込んでいませんか。
覚えられない子供に失望していませんか。
私はずっとそう思い込んで負の悪循環に陥っていました。でも、「覚えなくても問題を解ける」という人もいるんですよね。九九の半分程度だけ覚えておけば、残りは計算の工夫でなんとかできる、という発想で気楽に構えている人もいるのだそうです。
(例えば、7×9=63の場合、覚えていなくても、「7×10=70から7を引く」ことで答えが出せます。)
我が家でも個別指導塾の時に、
・・・と言われて、そんな考え方もあるのだなあ、と思いました。
そして、九九をとりあえず終わらせて次の課題へと進み、親子共々「九九が覚えられない」という苦手感を少し手放すことができたものです。
この時点はまだ完全に九九を覚えていませんでしたが、他の単元の問題を解く際にも九九が必要になるんですよね。でも、ここで覚えていない九九(7~8の段)を紙に書いたりして使うことを覚え、少しずつ「覚えていない時の対処方法」が身についていったようです。
さいごに
学校の授業だけで九九を覚えられない子供もいますが、これは頭が悪いということではなく教え方が合わないだけかもしれません。ですので、子供の特性を理解して、合う学び方を見つけていきましょう。今回ご紹介した教材は算数が苦手な子供向きの教材なので、これを参考にしてみるのも良いでしょう。
ただ、暗記ができない子供の場合、九九の意味理解ができないことが原因かもしれません。ですので、とにかく掛け算とは何かを理解できるようにするのが先決です。こちらから教え込むよりも、子供自身の頭で考えて理解していくことが大切です。
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