
ウチの子が勉強できないのはなぜ?
このように悩んでいませんか。
小学生だったらまだしも、中学生だと高校受験があるから焦ってきますよね。
しかも、子供に発達障害特性があると更に大変です。
でも、このような場合でも子供の特性に合わせることができれば、勉強できるようになるのです。
ウチの娘は発達障害、不登校経験、勉強遅れが重なって苦労しています。最初はやる気もなくて親としてはハラハラしていましたが、試行錯誤の末にようやく勉強しようという姿勢が身についてきました。
勉強できないのはなぜ?
勉強できない原因は子供によって異なりますが、大きく分けると次の3つの影響が多いです。
- (本人や周囲の)思いつき・決めつけ
- 先生の教え方が合わない
- 子供が勉強の必要性を感じてない
以下、詳しくお話ししていきます。
(本人や周囲の)思い込み・決めつけ
(2)「どうせこの子は勉強できない」という決めつけ
自分や周囲の思い込みや決めつけによって勉強できなくなっている可能性は非常に多いです。
もちろん子供1人1人の素質によって、どこまでできるようになるかの差はあります。でも、小学校程度の基礎であれば、じっくり学べばできるようになる子供が多いです。
(1)については、小さい時に一度勉強を分からないまま放置してしまうと思い込みが生じます。そして、勉強を諦めてしまうのですね。
また、(2)については、特に発達障害児で支援級在籍の場合に多いです。先生方や教育委員会が子供を決めつけて指導しているんですよね。だから、授業では簡単な問題しかやらせません。そうなると、勉強ができないまま(勉強をしないまま)大人になるのです。
先生の教え方が合わない
大人になればある程度キャパシティが広がっていくケースもありますが、子供というのは1人1人理解の仕方が異なります。また、得意不得意もあります。
絵や図があると理解しやすい子供もいれば、耳から入る言葉で理解しやすい子供もいます。また、1から10まで手順通りに説明して理解する子供もいれば、全体像が見えることで理解が進む子供もいます。
でも、残念なことに日本の学校教育では教科書に沿った教え方が基本です。これは「大多数が理解しやすい方法」なんですよね。そして、その方法で理解できない子供は勉強が分からないまま放置されてしまうのです。
特に、発達障害児の場合は脳の発達に偏りがあり、物事の理解の仕方が定型発達児とかなり異なる子供が多いです。そのため、どんなに教え方が上手な先生であっても子供に合わないこともあるのですよね。
子供が勉強の必要性を感じてない
定型発達児童の場合はクラスの中で周囲の様子を見て「自分も勉強しなきゃ」、「できるようにならなきゃ」という意識が働きやすいので、多少難しくても頑張ることができます。
でも、発達障害特性がある場合は周囲の様子を見て察することが苦手です。だから、皆が勉強しているのを横目に「やりたくないからやらない」と別の行動をしてしまう子供もいます。
ちなみに、定型発達の場合でも、小学校高学年くらいまでなら何とかできる子供も多いようですが、本質的なことが分からず場当たり的な勉強しかしていなかった場合、その後どこかで躓いてしまうと総崩れになる可能性もあります。
勉強できない中学生の事例、我が家のケース
ウチの娘の場合は発達障害特性がかなり強いし、感覚過敏もあります。
そのため、様々な物事を素直に受け入れる余裕や理解力が乏しいです。そのため、勉強は当然できませんでした。勉強ができない原因は上の3要素全部ありました。
勉強できないという思い込みをしたきっかけ
小学校以降は「ウチの娘は勉強できない」と思い込んでいましたが、実は幼稚園時代はそんなこと考えたことなかったのです。むしろ、勉強は問題ないレベルだと思っていました。
というのも、普通に会話はできていたし(ぎこちなかったのですが)、街で目にする難しい漢字も抵抗なく読めました。また、数字は100まで数えられたし、幼稚園の終了後に行う「えんぴつランド」の読み書き教室では順調に課題をやっていたからです。ただ、発達障害特性が強くて日常生活では困っていたのですが。
でも、小学校入学以降に「娘さんは勉強が他の子供についていけません」と先生に指摘されてから焦り、苦しむことになりました。
特に算数の計算で、「スピードと暗記が勝負」な教え方をされたのも苦しむ原因の1つでした。
運動能力や処理速度が特に苦手な娘にとって、問題を瞬時に答えなきゃいけないのは焦るだけなのです。その結果、分かる問題のはずなのに分からなくなってしまいました。
娘のいた小学校では、1桁同士の加減算や繰り上がり、繰り下がり加減算、九九など全て計算カードで行い、暗記して先生の前でテストを受けさせられることが多かったのです。
でも、娘はカードを全然覚えられませんでした。
そして、テストでも全然解答できませんでした。
そんな状態だったので、それまで交流級で受けていた授業でしたが、支援級での個別授業に切り替えました。
ところが、個別授業を行っても全然理解できなかったのです。個別授業は先生と1対1だったのですけどね。挙句の果てに「机に突っ伏して1時間何も勉強しませんでした」と先生に言われてしまったのです。
結論としては、支援級の先生が発達障害の生徒に勉強を教えるセンスがなかっただけのことです。でも、あの当時は「娘が全然やる気を出さないのが悪いんだ」と思い込んで娘を叱ってしまいました。(娘にはすごく可哀想なことをしたし、理解のない親だったなあと反省しています。)
そして、こんなマイナスの積み重ねばかりだったので、娘は「自分は勉強ができないんだ」と思い込んでいました。そして、私も支援級の先生も「どうせこの子は勉強できない」という決めつけをしてしまっていたのです。
親と先生の受け止め方の違いについて
ただ、ここで親と先生の受け止め方は違います。
親としては「勉強できないから、なんとかさせなくちゃいけない!」という思いが芽生えるし、先生としては「この子はどうせ支援級だし、普通の子供よりも2年くらい勉強が遅れても当然だわ」という思いになるんですよね。
我が家の場合、実際にその支援級の担任に「この子は勉強が普通の子よりも2年くらい遅れますよ」と宣告されてしまいました。その言葉を聞いて、私はすごくショックを受けたのですが、隣で聞いている娘はもっとショックだったろうな、と感じてます。そして、子供はますます「自分は勉強ができない」という刷り込みが深まっていくのですよね。
また、先生としては「どうせ2年くらい遅れるんだし、高学年の勉強が卒業までに終わらないだろう」という考えになり、その積み重ねで「支援級の子供は勉強ができなくて当然」「勉強させようとしても無駄」という発想になるのかもしれません。
先生の教え方が合わない
娘の場合、あまりも発達障害特性が強すぎたせいか、教え方が合う先生が今までほとんどいませんでした。
親としては少しでも勉強を理解してほしいと思ったので、自分で教えようとしたり、個別指導塾を転々としてきました。でも、どこに行っても娘が理解できないので、

本当にウチの子は知的障害ではないの?
とかなり深刻に悩んできました。
でも、遅ればせながら中学校入学後に少しずつ勉強する気持ちになり、この1年間は高校進学を目標に勉強しはじめ、勉強への目がようやく開かれてきたようです。
娘自身が知っていた雑学と勉強の、点と点が少しずつ結びついてきたのです。

ああ、コレはこういう意味だったのね!
何か勉強するたびに、こんな言葉が出てくるようになりました。
そして、ようやく、

ウチの娘も、教え方が合えば勉強できるようになるのね!
と思えるようになりました。
人によって向き不向きがあるとは思いますが、ウチの娘の場合は、オンライン学習教材オンライン学習教材:すららがすごく良く、娘の理解を促す学びになっています。
すごく良いと感じた理由の1つに、すららが、多角的な視点から1つの単元を教えてくれることがあります。マイナーな思考回路を持つ娘にも理解しやすい教材だったのです。
そして、小学校の算数の復習からやってみると、

分数ってこういう意味だったのねえ。
比率って実は料理で使っていたじゃん!?
などと、いろんな気づきがありました。
子供が勉強の必要性を感じてない
上でもお話ししましたが、ウチの娘は発達障害特性が強いです。
こういう特性の子供の場合、周囲への興味関心が乏しいケースが多いのですよね。そうなると、周囲は見えにくいし、見ようとしません。
(ただし、感覚過敏が強いせいか、自分の興味のある部分だけは気にして動物並みに神経尖らせてしまう傾向があります。)
15歳の現在でもこんな傾向が強く続いています。ですから幼少期はもっと酷かったんですよ。周囲なんて全く見ようとせず、自分の思うまま行動していました。
こういう子供の場合、その子供自身が勉強に興味がないと大変なのです。周囲の子供達が勉強していても「自分も勉強やらなきゃ」という意識にならないからです。
でも、あの当時は母親である私は「宿題やりなさい!」と付きっ切りで見張ってたし、学校でも先生が「宿題ちゃんと提出しなさい」とタイプだったので、娘は仕方なくやっていました。
これで勉強を理解すればいれば良かったのですが、娘は全然理解できませんでした。また、支援級の先生にも交流級の先生やクラスの子供達に「出来ない子」と思われていたため、徐々にやる気をなくしていき、不登校になってしまいました。
その後、転校して心機一転を図るつもりでしたが、
と転校先の先生方に言われたのを機に、待ちの姿勢になりました。
その結果、ただ見守るだけになってしまい、勉強の必要性を感じさせることもできません。そして、

学校はボーッとしていて良い場所なんだね。
という間違った認識を娘に植え付けてしまったのです。
ということで、その後は

娘がやる気になるにはどうしたら良いのだろう?
と悩み、試行錯誤することになりました。
娘が勉強できるようになるために試行錯誤したことについては次の章でお話しします。
発達障害でも勉強できるようになる?
発達障害でも勉強はできるようになります。
ただ、全く勉強できなかった子供が東大合格レベルになるかというと、そこまでは分かりません。「その子供なりに小学校中学校の基礎は理解できる」程度でお考えください。
私自身が大きな思い違いをしていたのですが、発達障害児は勉強できない・頭脳がない、ということではありません。「その年齢の平均知能よりもゆっくり発達する」という意味なのです。だから、少しゆっくり、じっくり教えればちゃんと習得できます。
子供の特性によっては、勉強の中に一定のルールを見つけて、それを面白いと感じたり必要性を感じたりするとすごく伸びるケースもあります。
娘の場合、実は1年前(中学2年生の時点)はまだ分数の意味も理解できず、英語のアルファベットも満足に覚えていませんでした。
こんな状態だと、1年後に高校入学なんて可能なのかと不安になりますよね。
でも、この1年間でこれらは理解できました。娘自身も1年前の勉強記録を振り返って、

私って、1年前はこんなことも分からなかったの!?
とショックを受けていました。

いや、ソレって、この1年間ですごく頑張ったってことじゃん!
と言ったら

そっかー、頑張ってるんだね、私!
と喜んでいました。自分の頑張りも肯定できるようになりました。(昔はできませんでした。)
ただ、あと1ヶ月で高校生という現時点でもまだ中学1~2年生の範囲を勉強中です。まだ遅れが取り戻せておらず、今後も大変だなあと思います。それでも、支援級(知的障害学級)では小学校低学年レベルの勉強しかやらなかったことを思えば凄い成長なんですよね。
勉強できるようになるには?
勉強できない子が勉強できるようになるには、子供が勉強したくなる環境を整えることが大切です。具体的には、上でお話しした原因をつぶしていくことがあります。
大人の思い込み・決めつけをなくそう
勉強ができないと、子供は大抵「自分は勉強できない」と自覚していますし、自己肯定感もかなり下がってます。でも、子供本人の気持ちは簡単に変えられませんし、実際に勉強できない状態で「あなたは勉強できるのよ」と言ったところで効果がありません。
ですので、まず変えるのは自分の意識から!
「ウチの子供だってやればできる」という気持ちになっているか、自分の気持ちを確認しましょう。
また、「この子はどうせやらせても勉強できるようにならないだろう」と決めつける指導者がいたら親子共々モチベーションが下がってしまいますよね。ですので、そういう指導者は敬遠した方が良いです。
子供が勉強を理解できるよう教え方を改善してもらう
子供が勉強を理解できるよう教えてもらっているかを確認し、そうでないなら改善してもらうか、別の手段を考える方が良いかもしれません。
ただ、学校や塾の先生との相性については、我が家のように24時間傍にいないと把握しづらいかもしれません。そこで、子供からも先生からもヒアリングしましょう。
先生(授業や子供の様子/子供が困らせていないか?/勉強の理解はどうか?等)
また、子供は教え方1つで大きく変わる可能性もあるので、
という思考を常に念頭に入れておく方が良いと思います。(我が家の場合は娘の特性があまりにも偏っていたため、常に悩んでいたものです。)
ですので、我が家では、学校や塾の後に
・何が難しかったのか
この2つを娘に聞いて、先生の教え方の理解度を確認していました。
また、娘が授業中に理解できなかった内容については、別の言い方で説明し直してみて、それが理解できるか確認したり、できない場合には娘がイメージしやすい別の方法を探して再度説明するなどして、娘の傾向を把握するようにしました。
子供に勉強の必要性を感じさせる
娘の場合、上の2つの課題もあったけど、一番難しかったのが「勉強の必要性を感させること」でした。
小学校1年生の時から支援級にいて、「勉強は遅れても仕方ない」とか「勉強はやる気になったらやればいい」という扱いをされたことから、勉強の必要性を感じなくなっていたのです。
しかも、娘は対人恐怖もあり1人で通常級での交流ができなかったため、同学年の子供達がどんな勉強をしているのか、できるようになっているのか全く理解していませんでした。
こんな状態で「勉強しなさい」「勉強は重要なのよ」と声掛けしても伝わらないのですよね。
そこで、大人になったら社会に出なきゃいけない、その時に勉強した知識が必要だ、という話をしたのですが、そうすると、

社会に出るなんて無理!
人に会うのも話すのも怖い!
何か聞かれたことに対して答える、なんて無理!
と言われてしまいました。
そして、娘は5年生の時に2回目の不登校になりました。
ただ、引きこもり的な性格をしていたわりに、人と接したい、外に出たいという気持ちもあったので完全な引きこもりにはなりませんでしたが、「社会に出るのが無理」という気持ちがかなり強く、「自分は大人になっても何もできないのではないか」「生きていていいのだろうか」という気持ちになっていたようです。
こんな状態から立ち直るには非常に時間がかかりました。
(立ち直る、という言い方は正確ではないかもしれません。娘は物心ついた頃から不安が強くて生きる希望も見いだせずに育ったようなので。ネガティブからの脱却、という感じでしょうか。)
以下、勉強の必要性を感じさせるために私が試みたことをいくつかご紹介します。
ちなみに、やって失敗したこと、娘に相手にしてもらなかったことも山ほどあります。
例えば、
ただ、あれから3年経過した今になって、見学した3年前の授業で「方程式の前段階的文字式Xが登場する勉強」を思い出したのです。「あの時の勉強の意味が分かった!皆、こういう勉強を3年前にやっていたんだね~!」とつじつまが合った様子でした。
ということで、確かに私が試みたことの多くは失敗でしたが、数年経って娘の脳の中でピースがハマった出来事もあります。こう考えると、人生に無駄はないのかもしれません。
さいごに
勉強できないのは、子供本人の素質よりも本人や周囲の「思い込み」「決めつけ」がきっかけで「勉強できない状態にしてしまっている」ことが多いです。
また、先生との相性や、子供本人のやる気の問題もあります。
この状態から勉強できるようになるには以下のことが必要です。
・大人の思い込みや決めつけをなくす(←本人はできるようになったら自然に変わる)
・子供が分かる教え方の環境を探す
・子供に勉強の必要性を感じさせる
ただ、どの項目も改善するのは大変です。
子供は「勉強しなさい」と強制して嫌々やらせても効果は出ません。子供が前向きに勉強するようにならないと続かないのですよね。
ですので、よく子供と向き合い、子供の気持ちを受け止めていくことが大切です。
子供は勉強できるようになると嬉しいし、それが自信に繋がります。そして、様々なことに、意欲的に取り組みようになります。
更に、勉強ができると視野も広がります。世の中の動きを見て、そういうことだったのか、と理解できることも増えていきます。こういうのが社会参加へのきっかけになったりするんですよね。
ですので、ぜひ子供には勉強が分かる喜びを与えましょう。その喜びが子供の自己肯定感を高めて人生を切り開く糧となりますよ。
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