不登校になると勉強遅れがどんどん進んで不安になりますよね。
小学生の時点で止まってしまった場合、中学生になってからでも勉強遅れを取り戻すことは可能でしょうか。
不登校で勉強遅れがあっても取り戻すのは可能?
不登校で勉強遅れがあっても、取り戻すのは可能です。
ただし、「本人がやる気になったら・・・」という条件付きですが(汗)
勉強遅れは当然本人も気にします。でも、それ以上に親の方が焦るのですよね。

ウチの子、なんとかさせなきゃマズイわ!
でも、親が子供を焚きつけようとしても結果は出ません。
だから、本人がやる気になる方向に仕向けていくことが必要です。現実的には難しいのですけど。
我が家では、娘が小学2年生の時に不登校になったのですが、その際に先輩ママ友に、

本人にスイッチが入ったらすごい勢いで取り戻せるから大丈夫よ!
と言われました。
この先輩ママ友さんには2人の娘さんがいて、2人とも発達障害があり、小学生の時には2人とも不登校だったそうです。
でも、中学生になり特別支援級に通ったところ、すごく前向きになり、特別支援学校に行きたいという目標を立ててからすごく勉強をして、小学校6年間の算数などを数ヶ月間で学習したのだとか。
また、娘の転校した2校目の小学校でも、

やる気になったら勉強は追いつけるから大丈夫ですよ
と言われていました。
それを聞いて、その当時は

支援級の先生も、不登校の先輩ママ友も言っているし、
きっと娘もやる気になったら大丈夫に違いない!
と思い込んでいたのですよね。
ところが、娘の場合、2校目では様々な環境調整をしてもらったにもかかわらず、丸2年間通ってもやる気の芽が出ませんでした。

うそでしょ・・・!?
そして、学校とは別に通わせていた個別指導塾でも、全然理解が進んでいかない状況でした。小学4年生で小学2年生の算数を学習していたのですけどね。
その様子を見ていて、

ウチの子は「やる気」になっても勉強追いつけないわ。
という思いが湧いてきたのです。
なぜそう思ったかというと、娘の場合は、
・運動能力も遅い
・パニックになりやすい
・焦ると動作が固まる
・イライラすると逆切れすることもある
こんな傾向があったからです。
ですので、周囲の「やる気になったら大丈夫」という言葉は、一概に言えないのではないか、ウチの娘に当てはめて期待していたら拙い事態になるのではないか、という予測を立てました。
そこで、やる気になるよう様々な工夫をしつつ、勉強遅れを本人が嫌がらない程度に解消していけるよう、様々なことを試していきました。
★工夫したことや失敗したこと等のことは以下の記事をご覧ください。
→勉強できないのはなぜ?中学生で発達障害でもできるようになる?
中学生から勉強遅れを取り戻す経験
ウチの娘は既にお話ししましたが、小学2年生の時点で最初の不登校になりました。
不登校になった原因の1つに学校の勉強が全然分からなかったことがあります。そのため、その時点で自己肯定感はかなり落ち込んでいました。また、「自分は勉強できない」「やろうとしても無駄」という意識が強く芽生えていました。
ということで、その後の数年間はほぼ勉強ストップしているような状態でした。
同じような悩みを持っている方の参考になるかもしれないので、娘の小さい頃からの様子について以下書いていきます。
→母が付きっ切りで教え込んだけど余計に算数が嫌いになってしまった。
→その場では出来るようになったけど身につかずやり方を忘れた。
→学校の授業では机に突っ伏したまま1時間過ごすように(支援級の1対1の授業にて)。
→娘が学校へ行くのを嫌がるようになり、母自身も先生からの連絡が毎日「できなかった」しかなかったので嫌気がさして、不登校になる。
学校では勉強をしない、というこだわりが出てしまったため、個別指導の塾に通い、小学校2年生の算数を再度やり直すようになった。(それでも掛け算を覚えられず。)
でも、文字を書くのが嫌なので、勉強らしくない勉強から入ることにした。
当時やってものは、以下が中心。
・そろばん(初めて操作から、簡単な加減算のみ)
・強育パズル(以下のリンク先の本)
・食から学ぶ理科社会(本を読んだり、中に書いてあるレシピで調理実習などを行った)計算パズルのおかげで簡単な九九のイメージ作りができてきた。
強育パズルは以下の本です。
この後、中級編までやりましたが、上級編も出版されています。ブロックを使うパズルなので具体的な答えの数が見て分かります。掛け算のイメージが浮かびにくい子供でも楽しみながら解くことができます。
オンライン学習「すらら」を知り、娘の思考回路に合うので母があまりフォローしなくても徐々に1人で勉強できるようになってきた。
また、通信制高校の中等部でも週1回個別指導を受けるようになり、信頼関係が築けてきたため、母が傍にいなくても先生と一対一で勉強できるようになった。
そして、現在は以下の2つを併用しています。
- オンライン教材「すらら」→基礎の復習や、未学習部分の学び用。
- 通信制高校(個別指導) →高校生へ向けての予習(高校1年生のテキスト)や、未学習部分の学び。すらら、個別指導両方とも、数学は中学1年生、英語は中学2年生の範囲を学んでいる最中です。
ただ、数学については小学校で学ぶべき図形や比例、グラフなどの範囲を抜かしているため、中学1年生の範囲を進めていく際に、その単元になったら小学生範囲を再度学んでから中学生範囲を学ぶ、という手順でいかないと難しいのだろうと想像しています。
★すららについては、こちらの記事を読むと、娘が初めて体験した時の変化が分かります。
→すららが発達障害に評判良いと聞いて無料体験した娘の劇的変化に唖然

勉強遅れを取り戻す具体的な方法は?
勉強遅れを取り戻すのは簡単と言う人もいますが、既にお話ししたように、
「本人にやる気があるか」が最も重要なので、やる気が無い場合はかなり難しいです。
じゃあ、本人にやる気が出たら簡単に取り戻せるか、というと、我が家の事例でお話ししましたが、簡単だと感じる子供もいるけど、簡単ではない子供もいます。
では、どんな子供なら簡単に勉強を取り戻せるのか、というと。
あくまでも、我が子を見てきた限りの想像ですが、
・処理速度が高い(作業が早い)
・勉強的な雑学が得意(様々なことに関心がある)
このような子供であれば、比較的早く追いつけるのではないかと考えてます。(我が子の正反対。)
ただ、我が子のように、処理速度が遅かったり、勉強的な方向への興味が乏しいと、新しい知識に触れた時に、自分の全く知らない世界のことなので拒否したり、理解できずに焦ったり、イメージできずに困ったりするかもしれません。(娘はいつもこんな感じです。)
なので、具体的な方法は、やはり子供のタイプによって異なります。
処理速度が高いなら、子供の(勉強を追いつきたいという)熱意や勢いでどんどん突っ走っていけるのかもしれません。(私の知り合いのママ友の娘さんタイプはこのタイプでした。)
ですが、本人の熱意だけでは難しい場合は、どの辺が難しいのか様子を見てサポートしていく方が良いです。
勉強遅れを簡単に挽回できない理由は
勉強というのは下の学年からの積み上げ方式なので、土台がきちんとできてないと遅れを取り戻すのは困難です。理科や社会のような知識的な科目は途中からでもなんとかなるかもしれませんが。
数学や英語は、下の学年で勉強しておくことを飛ばしてしまうと、上の学年だけを学ぼうとしても理解不能だったり、イメージしづらい内容がたくさんあるのです。
以前、算数を楽しく勉強できないかと思い、以下の本を購入して娘と一緒にやってみようとしたのですが、このような本は「小学校にきちんと通ったけど算数が苦手だった」というような経験者向きなんですよね。
この本のレビューを読むと、「小学生でも楽しく勉強できた」という人もいました。この本は漫画で描かれているので読みやすい、というのが大多数の意見のようです。
でも、数年間の勉強遅れがある場合は未学習になります。その場合、この説明だけだと理解するための言葉が足りないのですよね。内容が分かりづらい可能性が高いです。
この本は、あくまでも6年間の算数で重要な部分にスポットを当てて解説した本であり、細かい箇所が抜け落ちているのです。
ですので、中学以降の数学で使う知識としては物足りず、未学習部分が多いと理解不足で苦しむことになるのです。
ウチの娘の場合は丁寧な説明がないと理解が難しいタイプなので、この本は合いませんでした。未学習が多い場合は、オンライン学習教材「すらら」のような、丁寧すぎるほどの説明をしてくれる教材や本の方が向いているでしょう。
もし仮に、処理速度が高ければ(ただ、理解力なども高くないと難しいのかもしれませんが)、以下のような本を1冊勉強すれば良いかもしれません。
ちなみに、この本はAmazon小学生の算数本でベストセラー1位となっています。
また、最初にお話しした先輩ママ友の娘さん2人は、算数から数学の勉強については、以下の本で猛勉強したと聞きました。。
重要なポイントだけを押さえた薄い問題集なので、猛勉強して短期間で仕上げることができます。
なので達成感はあるんですよね。
でも、この本のレビューにも書かれているのですが、重要ポイントだけなので、復習したい人向けかもしれません。
1から勉強したい人にとっては説明が足りずに分かりづらいし、問題数が少ないので定着しにくいのですよ。
なので、先輩おすすめだったので購入したのですが、全く手をつけずに終わりましたorz
こういう本は、本当にやる気になって突進するくらいの熱意がないと難しいでしょう。
勉強遅れを取り戻す まとめ
勉強遅れがあっても、本人にスイッチが入るとすごいスピードで取り戻せる、と言っている人もいますが、これは子供によって全く異なるので鵜呑みにしない方が良いです。
そもそも、勉強は小学校6年間と中学校3年間きちんと学んで積み重ねなのです。多くの子供達がちゃんと9年間かかって学ぶことですから、そう簡単に追いつけないのですよね。
ただ、「あっという間に追いつけた」というケースも中にはあるようです。その場合は、
・元々勉強の素質があった
・本人の見えない努力があった
・勉強ストップしていた間に勉強に関連する学びがあった
こんな可能性があります。
親の期待は子供を焦らせるだけだし、親も焦ってしまうものです。ですから、勉強遅れは確かに心配でしょうけど、「すぐに挽回できる」「早く追いついてほしい」などと期待しない方が良いです。
さいごに
ちなみに、ウチの娘は自閉症で興味の範疇がとても狭いです。そして、算数や英語の世界にも興味がなく、縁遠かったんですよ。その結果、今は新しい単元に入ると、毎回思考が固まってしまいます。
そこを、個別指導の先生が優しく説明してほぐしてくれています。でも、そんなに丁寧に教わっても娘は腑に落ちないことが多いです。仕方ないので、その後に、すららの小学生の範囲から学び直したり、イメージできるよう身近な物で私が解説したり、ということで理解を促しています。
また、娘は処理速度が遅いので、やる気になった場合でもスピードが超遅いです。しかも、焦って自滅したり逆切れしたりする傾向もあります。そうなると、勉強が手につかなくなってしまい最悪の展開になります。ですので、日々の勉強では遅れを意識させないよう、出来たことを喜べるよう対話をしてます。
それでも、1年前にはアルファベットさえ曖昧だった娘が今は過去形、未来形などの英文を学んでいるし、小学2年生でつまずいた掛け算が一生できないと思っていたのに、今では中学1年生の方程式まで学んでいるし・・・と考えると、勉強遅れを頑張って取り戻そうとしているんですね。
子供によって1人1人取り戻すスピードは異なるし、そこでのつまずきも色々あるでしょう。
周囲に「大丈夫」「難しい」などと言われても、それがそのまま自分の子供に当てはまるとは限りません。もし周囲の言葉に振り回されそうになっても惑わされず、自分の子供に注目してみてくださいね。
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