発達障害で勉強しない場合、どうすれば良いのでしょうか。
支援級の対応は学校によって異なるのですが、「本人が勉強をやる気にならない場合は無理強いさせない」というケースもあります。でも、そうなると親としては「ますます勉強が遅れてしまう!」と焦りますよね。
我が家ではこの展開そのままで、かなり焦った結果、個別指導塾のパーソナルに通わせることにしました。
今回は、パーソナルに通わせてどうだったか等を含めてお話しします。
発達障害で勉強しない子供へどう対処する?
小学校2年生で不登校になった後、しばらく家で好きなことをやったりしたのですが、学校とのやり取りに親子共々疲れたこともあり、「転校」という方法を選びました。
(学校とのやり取りや転校については話が長くなるので、後日別の記事にする予定です。)
転校する際に学校を見学しに行って驚いたのが、同じ支援級でも学校によってやり方が全然違うということです。
最初に通った小学校では、とにかく何でも交流級に通わせるのが最終目的で、必死でいろんなことをやらされてきました。ですが、転校先の支援級は勉強だけでなく、様々なことを無理強いさせないスタンスでした。
それが良いのかどうか、というのは結論が出ていません。ですが、恐らくこれは子供によって違うと思います。そして、この時点では、前の学校で様々なことで傷ついてしまったため、無理強いさせないことを公言してくれる方が安心できるだろう、という気持ちになっていました。
ちなみに、娘の場合には小学校では何でも「無理矢理やらされる」というのが相当辛かったらしく、不登校になってからも同級生の子供達や支援級担任が毎日電話してきたり、玄関インターホンで押してお伺いしてくるので「学校嫌い」「勉強嫌い」に拍車がかかったようです。
支援級での授業内容に戸惑う
2年生の3学期に転校した小学校には臨時採用のベテラン先生がいて、すごくその当時の娘の心を理解してくれていたので安心してお任せすることができました。
「前の学校で色々あって辛かったのね。気持ちが元気になるまで暫く勉強は休んで、少しずつやっていきましょう」
ということで、最初にやったのは、プリントも幼稚園児がやるような簡単な算数や線繋ぎ程度でした。あとは、手先を使う工作系のことなど。これらは本人なりに楽しかったようですが、この先生が残念なことに3学期終了時点で退職することになりました。
そこからがまた大変で。支援級の先生方がどのように指導したら良いのか分からず娘への対応に戸惑うことが増えていきました。そして、娘自身も学校でどのように過ごせば良いのか分からないという日々が再発してきたのです。
勉強に関して言うと、いつまで経ってもやる気にならないし、鉛筆で文字などを書くのを嫌がったため、数の線つなぎをするか、1桁で繰り上がり無しのプリントを20分かけて解いて、答えは数字スタンプを押すという方法でした。
そして、この授業が2年間続いていきました(ノД`)・゜・。
ちなみに、この小学校では交流授業もあるのですが、「一人で交流級に行けることが条件」であり、娘の場合には引っ込み思案で一人で交流級に行くことができなかったため、ほとんど行きませんでした。唯一行ったのは、親子参加OKの観賞授業や、HRにおける保護者の読み聞かせだけです。
読み聞かせは、娘が交流級に行きやすいよう、PTAの読み聞かせに志願しました。そして、娘の所属するクラスということで優先的に担当させてもらいました。読み聞かせの際には教室の後ろの扉からコッソリ入って物語を聞いていたんですね。(コッソリ入るのは、目立ちたくないという理由です。)
先生方もまさか2年間ずっと進展がないとは思ってなかったようです。どこかで気持ちが切り替わってやる気になるのではないか、と思っていたようです。
でも実際には、時間が経過すればするほど、慣れるというよりも真逆の反応になり、支援級の子供達との距離の近さを気にするようになり、極力パーテーションで仕切って侵入してこないように閉じこもる学校生活になっていき、勉強も問題だけど、それ以外の学校生活面でも様々な問題が山積みになってしまいました。
発達障害児に個別指導塾パーソネルは合うのか?
話が少し戻りますが、転校後1年経っても勉強にスイッチが入らず全然やる気にならないのが心配だったので、なんとかしなければと考えて個別指導してもらえるところがないか探し始めました。
今でこそ、発達障害児向けの塾や家庭教師などが全国にたくさんあるようで、インターネットで検索すると結構ヒットするのですが、娘が小学3年生だった頃は、住んでいた地域にはありませんでした。
以前、公文や学研教室に通わせようとして上手くいかなかった経験があるので、やはり発達障害で先生に質問するのが難しい場合は個別指導してもらえるところが良いのだろう、と思っていたところ、家から徒歩圏内の場所に中萬学院の個別指導塾パーソネルがあったため、通わせることにしました。
とはいえ、前回の失敗があるし、娘がやる気になるのか分からないし、塾でも受け入れてくれるか分からないので最初に相談した際に、学校での様子や学研教室での失敗の経緯などを詳しく説明し、更に体験授業を受けた上での入会となりましたが。
パーソネルでは、たまたまそこの室長の家族に発達障害があったため、娘の特性への理解があり助かりました。更に、娘の様子を見て相性の良さそうな講師を選んでくれました。塾の講師は大学生のバイトが殆どのようですが、その中でもすごく機転が利く、優しくて明るく元気な女子大生が教えてくれることになったのです。不安の強い娘には、こういう明るくて優しい女性がすごく安心感を与えてくれました。
個別指導塾に通い始めたのが小学3年生の終わりからで、週1回60分という短い時間でしたが、この講師にはとても打ち解けて、勉強以外にも日常生活での楽しかったことや好きなことなどを色々話していて、毎週の塾通いがとても楽しかったようです。
最初に室長と話した時点では、やはり「徐々に一人で通えるようになった方が良い」と言われていましたが、暫く様子を見て、「今はそれよりも安心して勉強できる環境を整える方が良いですね」と言ってもらえたので、付き添いしてそのまま後ろの席で見守るという形になりました。
個別指導塾での問題
ただし、やはりこういう個別指導塾でも娘にとっては以下のような問題がありました。
約1年相性の良い大学生のお姉さんに教わったのですが、この方も卒業して就職したため、その後は別の女子大生が担当してくれました。優しいのは共通していたけど、性格がおとなしすぎて、引っ込み思案な娘の心をほぐすところまでは無理だったんですね。
また、個別指導塾といっても1人で2人の生徒を教えることから、先生にも要領の良さが必要なのですが、意外と難しいのか、もう1人の生徒を教えている時に娘が落ち着かない、というか、問題を解いていて分からない時にもう1人を教えていると、どうして良いのか分からず止まってボーッとしてしまうのです。
そして、1年以上、2年生の算数の範囲をやっていたのですが、なぜかちっとも分かるようにならないのです。
その場では先生に教わりながらドリルを解くけど、2年生の九九が全然理解できないし、覚える気持ちにならなし。
ということで、勉強している時の様子や、その後娘自身に「どんなこと勉強したの?」と聞くと返答される「よく分からなかった。それより今日は××の話をしてね・・・」と先生と話した楽しかったことを振り返って教えてくれる姿を見て、
「学校と違って打ち解ける場所があるのは良いけど、勉強を習いにいく場所として考えると難しいのだろう」
と感じていました。
そして、後任の先生との関係があまり打ち解ける見込みが無さそうだったことからやめることにしました。
まとめ
発達障害児の場合は塾よりも個別指導形式の方が向いているのですが、個別指導塾の名前であっても、2対1や3対1など、1人の先生が複数の生徒を教えるところもあります。そういう形態の場合、分からないことを質問するのが難しいような、コミュニケーションが苦手な生徒だと難しい可能性があります。
また、発達障害児に限りませんが、勉強が苦手で塾に行くことを考える場合、塾の教え方だと分かるようにならない可能性もあります。我が家の場合、塾でいつも使うドリルを解くだけでは理解できませんでした。
ですから、「勉強が分からないなら塾や家庭教師に習わせよう」という単純思考だと、我が家のように失敗する可能性が高いのでご注意ください。
とはいえ、個別指導塾に通わせていた間、学校生活が徐々に息苦しく感じてきていたため、娘にとっては週1回の塾通いが息抜きできる、貴重な時間でした。そして、こういう先生なら一緒に勉強しても楽しいね、という経験ができたことが次へのステップになりました。
ただ、親としては肝心の勉強をなんとかしたかったなー、というのが本音なのですけどね。
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