中学が支援級(知的障害学級)だと高校進学はどうなるのでしょうか。
小学校や中学校で支援級判定と言われて普通級に入学しなかった場合、後々困るのでしょうか。
ウチの娘は小学校中学校ともに支援級(中学では支援学校判定も)という判定になってしまい、すごく悩みました。
そして、中学でも実際には支援級に在籍したものの、徐々に高校進学のことを考え始め、「このままだといけない」と思うようになり、学校環境に馴染めないこともあって途中から不登校することにしました。
今回は、支援級判定だけど高校進学したい場合どんなことに気を付けるべきか等、我が家の経験や反省を踏まえてお話しします。
中学が支援級だと高校進学出来ないの?
中学が支援級(知的障害学級)の場合、高校進学はとても難しいです。
なぜ難しいか、という理由で真っ先に思い浮かぶのは内申点がもらえないことでしょう。
中学で支援級を選択する際に多くの人がこのことを危険視しています。(中学校や教育委員会では「支援級の生徒は高校進学しない」という常識で動いているため、このことは指摘しないケースが多いはずです。)
でも、現実的には内申点の問題よりも更に困る理由があるのですよね。それは、授業内容が小学生低学年レベルなのです。これは自治体によって異なるかもしれませんが、娘が通った中学校ではこんなレベルでした。
知的障害学級の授業はなぜ簡単な内容しか行わないの?
知的障害学級では、なぜ小学生低学年レベルの授業しか行わないのでしょうか。
これは、正直言って、文科省や教育委員会などが発達障害児のことを誤解しているとしか思えません。
発達障害というのは理解習得するのに(定型発達よりも)時間がかかる、というだけであって、理解できない訳ではありません。でも、多くの中学校の支援級の内容は、「勉強は理解できないから、学年相当の勉強をしなくていい。それよりも、生活面の指導を中心に行い、将来の就労へ向けて自立できるよう指導していくことが重要」というロジックになってしまっているのです。
その結果、娘の中学校では、主要5教科については以下のような内容でした。
- 国語・・・行事のたびに作文(感想文)を書くことが中心。漢字学習少々。読解に費やす時間や日本文学に触れる機会は無し。お正月に百人一首をするので多少和歌を暗記する。(毎週3時間)
- 数学・・・内容は小学校1~2年の計算レベル。(毎週3時間)
- 理科・・・小学校の理科のレベルを少々。(毎週1時間しか行わない。)
- 社会・・・小学校の社会のレベルを少々。(毎週1時間しか行わない。)
- 英語・・・アルファベット、初歩の英会話を少々。(毎週1時間しか行わない。)
これでは「内申点を貰う」という次元になり得ないのですよね(。-_-。)
だって、勉強というのは積み上げていかないと理解できない内容がほとんどだからです。中学生としての範囲をきちんと学習していないと基礎が理解できてないため、高校進学しても高校の授業内容が理解できずに困るのですよね。
でも、こういう知的障害学級はとても多いはずです。そもそも、文科省も教育委員会も学校の先生方も、知的障害学級に通う生徒が高校進学したい、と希望するなんて想定していないのですから。(もしかしたら、どこかに例外的な知的障害学級が存在するのかもしれませんが。)
支援級在籍でも普通級で授業を受けたり内申書を貰えるの?
インターネット情報などによると、

学校によっては支援級でも普通級で授業を受けることができますよ
という話を聞きます。
ただ、これは情緒障害学級の情報を混同している気がします。
(そういう書き込みをしている人の子供が支援級か、というとそうじゃないケースが多そうなので。あくまでも推測ですが。)
では実際に、(現在住んでいる)東京都と(過去に住んでいた)神奈川県について知っていることをお話しします。
東京都の場合
東京都では令和2年現在、支援級は全ての中学校にあるわけではありません。また、支援級がある中学でも、「知的障害学級はあるけど情緒障害学級はない」というケースもあります。そのため、支援級通うには普通級の学区とは異なる中学になる可能性があります(支援級での学区指定があります)。
そして、知的障害学級では交流授業が無く、全ての授業を支援級単独で行います。(行事などは別で、学年や全校合同で行うことがほとんどですが。)
一方、情緒障害学級については、全ての授業を学級だけで行うか、主要教科については積極的に普通級に行き授業を受けるという形になっています(中学校によって異なります)。ですので、テストも普通級と同じ内容で受けるし、成績もきちんとつくのですよね。
でも、知的障害学級の場合はそもそもの立ち位置が違うし、普通級と同じレベルの授業をやる気もないので「内申書をつけてください」と言う事そのものが無理難題になってしまうのです。
神奈川県の場合
以前、小学校の時には神奈川県に住んでいたのですが、神奈川県では全ての中学校に支援級があったようです。ですが、特に情緒障害学級と知的障害学級の区分けはなかったようです。(その当時在籍していた小学校も、情緒と知的の区分けはありませんでした。)
ただ、学区の中学校の様子を聞いたところ、やはり高校進学を考えるのであれば「支援級だと内申書がもらえないので支援級には行かせない」と考えている保護者が多かったです。また、交流授業もほとんど無いという話でした。
(ただ、この内容は数年前の情報なので、現在の状況は変化した可能性もあります。)
他の都道府県については実際に問い合わせていないので分かりませんが、一部地域では「支援級でも高校進学可能」という話を聞くけれど、どちらかというと「情緒障害学級」という情報を抜かして発言しているのではないかと思います。もしくは、完全に個別対応ができる支援級のスペシャリスト担任がいるおかげ、と推測しております。
少なくとも、東京都や神奈川県の支援級(知的)の場合は、中学校レベルの授業を受けることが出来ない以上、高校進学はまず想定外と思った方が良いです。
これを読んですごくガッカリする人も多いはずです。実際に、私も自閉症児の親として、最初は神奈川県に住んでいて(高校進学が無理だと感じて)失望したし、それなら東京都ならどうかと希望を抱いて引っ越したのに、娘の学力では情緒障害学級は難しいと言われて絶望してしまいました。
支援級判定でも普通級に入れるべき?

じゃあ、支援級判定でも普通級に入れるべきなの?
これもよくある悩みですよね。
そして、これは中学校進学時だけではなく小学校就学時も同じように悩む問題です。
これについては、子供の対応力や支援者の技量もあるので、どちらが良いのかは一概に言えません。ただ、親としては最善を尽くすべきですよね。そこで、次に「悩んだ時のポイント」についてお話しします。
悩んだ時に考えるべきことは?
親として支援級と普通級のどちらが良いのかを見極める時の判断材料として、以下のことを考えてみましょう。
- 普通級に行かせたいのは親の見栄ではないか。
- 特別支援学校の高等部でなく、高校進学する方が子供のためになるのか。
- 子供が実際に普通級でやっていける力があるのか。
「普通級でやっていける力」というのは勉強面だけではありません。集団の中で不安を抱かずに過ごせるか、一斉指示に従うことができるか等も考える必要があります。小学校の場合は特に、今まで過ごしてきた幼稚園との環境の違いが大きいため、集団の中で不安がらずに過ごせるかが重要です。
また、IQ的には問題なさそうでも、学校に入ってみると学習障害などがあって勉強についていくのが大変なケースもあります。このような場合は大人がしっかりサポートできる環境の方が望ましいので、子供のことをよく見た上で判断する必要があります。
通級制度について
もし普通級でやっていけそうな感じなら、普通級に在籍しつつ通級制度を利用する方法があるかもしれません。この場合、苦手な教科だけを別の少人数の教室で学ぶことにより、理解がスムーズになります。
ただ、これは自治体によって異なりますが、通級制度がその学校に無い学校もあるので、その場合には近隣の学校までその授業だけ通うという方法になります。特に小学生の場合は学校間の移動に保護者が付き添いをする等、時間を拘束される可能性があります。
とはいえ、通級制度は基本的に普通級に在籍する生徒のみ対象なので、支援級判定だから「この子には支援級が当然だ」という扱いの場合には教育委員会から何も説明がありません(多分)。少なくとも我が家では、4つの自治体で教育委員会の教育相談を受けたけど、一度も通級制度が話題になったことはありませんでした(。-_-。)
結局、「支援級対象」と教育委員会の判定が下った時点で「知的障害学級か情緒障害学級のどちらかを選んでください」という選択肢が主になってしまうのですよね。通級制度の内容は、趣旨からして、情緒障害学級で行う内容とほぼ同じようなレベルでしょうし。我が家の場合、「それでも普通級を希望するなら親が責任持ってね」と言われているような気持ちになりました。
支援級で入学した後に普通級へ移る方法がある
また、小学校就学時の判断については、学校によって異なりますが、
最初は支援級で入学しておき、高学年になったら普通級に移るという方法もあります。
この方法だと、
・中学校進学を見据えて徐々に交流授業に慣れ、普通級に移れる
・中学校では普通級に在籍して、高校進学することができる
このような理想的な展開になります。ただ、こういう方法を推奨していない学校もあるので、その辺は小学校入学時に相談しておき、徐々にそういう方向に進めるよう先生と連携を図っていく必要があるでしょう。
ただし、この方法に上手く順応できる子供もいるのですが、そうじゃない子供もいるんですね。我が家の場合、最初に在籍していた小学校がこんな感じだったのですが、ウチの娘は小学校の環境に慣れることができずに、逆に拒否反応を示すようになり不登校に至ってしまいました。
★最初の小学校についての話はこちらの記事をご覧ください。
→支援級の後悔。小学校で味わった、皆と同じことができない苦しみとは
ちなみに、我が家では小学校と中学校、どちらの場合も判定が下った後に普通級に入学させることは考えませんでした。というか、「普通級なんて無理!」な状態だったので。
なぜかというと、小学校就学時点では不安が強すぎて、何かあると「ギャーッ」と騒いだり、その場から遁走することも多くて、大人数の教室で一斉指示に従うことがまず無理だったからです。
こんな状態で「普通級にお願いします!」と言っても、他の生徒の迷惑にもなるし、先生としても責任持てませんしね。
小学校6年間支援級だと中学校で普通級は難しい
そして、小学校6年間を支援級で過ごしてしまうと、中学校で普通級に通うのは難しいかもしれません。(特に、小学校で交流授業にあまり参加していない場合。)
ですが、娘が通った2校目の小学校(神奈川県)では、小学校6年間支援級で過ごした後に中学校で普通級に行き、無事普通高校に入学した生徒もいました。ただし、この生徒の場合は、親が小学校の時から中学高校進学を意識して学校の先生に相談して、普通級でやっていけるよう指導してもらうようにしたそうです。
ちなみに、この生徒の場合、
・交友関係を築いて、困った時に自分で友人に助けを求められるようにする
このあたりを抜かりなく教育していったようです。(元々この生徒は「ちょっと注意力散漫だけど愛されキャラ」だったようなので、周囲が自然に助けてくれる感じになっていたようです。)
まとめると、中学校で普通級に行きたい場合は勉強面だけでなく、以下の力を6年間でしっかり培うことが必要でしょう。
・困った時の対応能力があるか(周囲に相談できるか)
・大人数の教室で一斉指示に従うことができるか
ちなみに、ウチの娘は発達障害特性以外に不登校もあったし、感覚過敏が強くて常に緊張状態なのでどれも難しかったです。
支援級から高校進学する方法はないの?
では、親の目から見ても、

この子は中学も普通級は無理だけど、高校進学して欲しいわ。
という場合、どうしたら良いのでしょうか。
子供の特性に合う進路を考えよう
やはり、実際に方法を考える前に、高校進学する方が子供にとって幸せなのかを考える必要があります。我が家で考えたことをご紹介しますと(まだ高校進学しておらず、2021年4月高校入学予定)、以下のことを考えましたし、娘と何度も話し合いました。
(2)本人が高校進学したいと望んでいるのか?
(3)就労は障がい者雇用でなくて良いのか?
支援学校の道を選ぶと、履歴書にも「高校」でなく「特別支援学校」卒業となるのがすごく大きいのですよね。
もちろん、特別支援学校高等部は、高校卒業と同等資格という扱いになっています。でも、それを知らない人も多いというのは事実です。そして、支援学校では生活上で困らない最低限レベルの勉強しかしないのです(主要5教科の話)。普通高校レベルの勉強はやらないのです。
だから、勉強をしたい子供にとっては意欲を削がれるだけなんですよね。
また、支援学校は非常に人気ですが、なぜかというと、普通高校卒業よりも就職に有利という話があるからです。今のような就職難の時代では、特に発達障害がある場合には配慮してもらえて就職できるという、障がい者雇用が非常に人気が高いんですよね。
そして、支援学校卒だと就職枠も普通高校より多いし情報量も多い。
ただ、障がい者雇用の場合、様々な雇用形態があるのですが、給与が普通の就職に比べて安い企業が非常に多いです。大企業の障がい者雇用枠に入れれば、福利厚生が手厚いし、給与もまあまあ出るという話なのですが、その枠に入るには競争が激しいし難しいです。そして、そういう障がい者向けの業務がその子供に合うかどうか、という問題もあります。
こんなことをウチの娘に当てはめて考えてみると、娘は障がい者雇用という枠には無理だという結論が直ぐに出ました。
実は、小学校3年生の時点でWISCを検査した病院では、「支援学校へ行き、障がい者雇用という選択肢を考えるべきではないか」という話も出たんですよね。WISC検査を行った心理士との相性が悪く、娘が検査を拒否気味で、心理士もかなり苛立っていて、かなり低い結果になったこともありますが。
正直言って、その話を言われてショックでした。ただ、そうすべきだろうかという気持ちにもなりましたが、障がい者雇用枠の業務の大半は「人の指示に従って定型業務を数多く処理するものばかり」です。娘は何事にも「なぜ?」「どうして?」と質問せずにはいられない性質なので、そのような人の指示通りに処理する業務は困難だと感じました。ですので、障がい者という枠でない生き方を模索しようと考え始めていました。
もちろん、障がい者雇用を否定するわけではないし、支援学校を否定するわけでもありません。
ただ、子供本人の特性、良さがどこにあるのか、意欲がどこに向かっているのかを見極めてあげることが重要だと思うのです。我が家の場合、集団生活に馴染めない上に、興味の方向があまりにも個性的なものばかりだったので、これだと企業で上の指示に従って仕事をするような人生は苦しいだけだろう、と感じたのです。
高校進学したいなら勉強は必要
長くなりましたが、まずは本人がどちらに向いているのかを考え、高校進学を希望するなら、勉強を進めましょう。テストで100点を取る必要はないけど、基礎的な学力はつけておく必要があるし、それがないと高校生活に耐えられないからです。
また、中学校の選択肢としては、支援級しかないならそこに入学するしかありません。ただし、知的障害学級の場合、勉強は学校で教えてもらえないので自宅学習する必要があると考えておく方が安全です。
(学校によっては相談すれば多少は少人数授業の際に教えてもらえるかもしれませんが、そうなったら超ラッキー程度に考えておく方が無難です。)
とはいえ、学校では別の授業をやっているし、家に帰ってから勉強というのはシンドイかもしれません。本人が疲れない程度に勉強していく方が良いと思います。
我が家の勉強方法はコレ!

中学入学時点で知っていたら良かったのに!
と娘が言ったのが、タブレット学習の「すらら」ですね。
→無学年制教材!対話型アニメーション教材【すらら】

我が家では、不登校になってから「すらら」の存在を知り受講開始したのですが、もっと前から知っておけば良かったのに、と後悔しています。自分の出来る学年からスタートできるし、発達障害児でも分かりやすい工夫がてんこ盛りの、超人気の学習教材なのです。
我が家でも、すららを始めてから勉強意欲が高まったし、娘本人も「勉強が分かるようになった」と喜んでいます。
★すららを試して初めて「勉強」の意味が分かった娘の話は以下の記事をご覧ください。
→すららが発達障害に評判良いと聞いて無料体験した娘の劇的変化に唖然
不登校やフリースクール等を視野に入れておく
また、「どうせ合わない学校なら不登校でもいいや」程度に、不登校を視野に入れておくのも1つの方法でしょう。
ちなみに、すららを勉強していれば、不登校でも在籍扱いにしてくれる学校もあります。(これは学校に相談して、校長先生に認めてもらう必要があるのですが。)
また、フリースクールなどで子供に合う場所があれば、そこに通う方法もあります。
ただ、フリースクールの場合には費用も用途もピンキリです。勉強を全く行わない居場所目的のフリースクールもあれば、逆に勉強中心のところもあります。そして、個別対応を期待すればするほど費用は高額になります。
でも、子供自身がフリースクールに通って心が落ち着くか、楽しいと感じるかが肝心なので、子供に合うフリースクール探しは大変です。
ちなみに、我が家でも何回かフリースクール探しをして、実際に通って失敗したこともあります。また、中学入学時にも複数見学し、支援級で勉強できないのを埋める目的で個別指導塾を選びました。
★当時のフリースクールや個別指導塾に関する詳細は以下の記事をご覧ください。
→不登校で勉強遅れを取り戻すには?フリースクールに小学生が通った結果
→発達障害児は個別指導塾なら成績が伸びる?娘が通って気付いたこと
通信制高校の中等部もある
また、N高等学校にはN中等部があり、そこで学ぶ生徒も増えているようです。他にも、複数の通信制高校で中等部を設けています。(ただ、学校によっては「毎日」でなく、土曜日のみ、月1回のみ等のケースもあるので、興味のある方は色々調べてくださいね。
実際に受験できる高校はあるの?
では、勉強を進めていても、実際に受験できる高校があるのかと不安かもしれません。
ただ、すらら等で勉強していれば出席OKにしてもらえる学校もあるし、以下のようにいくつか選択肢はあります。(ただし、狭い選択肢ですが。)
- 不登校対応している公立高校(東京では「チャレンジ校、エンカレッジ校」と呼ばれている高校ですが、数が少ないし不登校が増えている現状では、毎年受験倍率が高い。)
- 不登校OKの私立高校(ただし、数が多くない。)
- 通信制高校(発達障害児や不登校OKの学校が多い。)
ちなみに、我が家では、とある通信制高校を受験する予定ですが、不登校になる頃にその通信制高校に「中等部」があることを知り、申し込みました。(学校によっては、中等部を申し込むと自動的に通信制高校の内定資格を得るケースもあります。)
通信制高校では「中等部」を設けて不登校児への対応が出来るところもあるので、興味があれば問い合わせてみると良いですよ。
通信制高校でこんなことを言われました。
我が家では、中学1年生の時点から通信制高校への進学を考え始めており、2年生の時点で約20校見学しています(同じ学校でもキャンパスによって雰囲気が異なるので、良さそうな高校の場合は複数キャンパスを見学しました)。
そして、とある通信制高校の個別相談会で以下のことを話しました。

娘は知的障害学級に在籍だけど、普通高校への進学を考えています。
でも、学校や教育委員会は支援学校に行くのが当然だと思っているので、親としての考え方が間違っているのか不安です。
この話をするまでは、正直言って、普通高校に進学したいと考えるのは間違っているのだろうか、と悩んでいました。でも、この時の先生が、

実は、ウチの高校に来るお子さんは、一度支援学校の高等部を卒業した人が結構いるんですよね。
親が決めたから支援学校に進学したけど、後々自分で考えたら「やっぱり自分はもっと勉強がしたかった」って言うのです。そういう人はウチの高校に入ってすごく生き生きと過ごしていますよ。
と言ったのです。
実際のデータ等はないのでどの程度の人数が入学したのか分かりませんが、「やっぱりそう思う子供もいるのか」と心強く感じたものです。
ウチの娘は人に自分の思いを伝えるのがすごく苦手で、その時に何か心のモヤモヤを感じても表現できず、後になって「あの時こういう思いをしていた」と言ってくることが多いです。なので、この発言した生徒さんもきっと、支援学校入学当時は何も疑問を抱かず親や教育委員会の敷いたレールに乗ってしまったのだろう、と。そして、世の中のことや自分の立ち位置を理解するにつれ、高校の良さなどを知ってショックを受けたとか。
これはあくまでも想像でしかありませんが、ウチの娘に置き換えるとすごく共感できた言葉であり、高校進学させたいと願う私の心を支える原動力となっています。
さいごに
「普通級で授業についていけないと可哀想だから支援級の方が良い」と考える人もいます。
でも、これはその人の価値観であり、子供自身が本当にそれで幸せかは分からないのですよね。
娘の場合、ずっと支援級だったせいで「中学生なのに小学生の勉強しか知らなくて、自分はなんて馬鹿なんだろう」と感じていたのです。
支援級の子供達は、理解に時間がかかるだけであって、教えたものを理解できないわけではありません。多くの子供達の理解の仕方と異なるので、一般的な教え方だと合わないだけなんです。
それを、日本の多くの中学校では「勉強ができることよりも就労に向けて体力作りをしたり、身辺自立をすることの方が重要だ」と言って、学校本来の教育でなく、生活レベルの指導が中心になってしまっているだけなんです。
支援級にするか悩んでいる場合は、まずは実際に学校を見学して、先生に不安なことを話して、どのような答えが返ってくるのか確認しましょう。学校や先生によって印象が変わるかもしれないし、不安が解消するかもしれません。
我が家の場合は支援級を仮の居場所程度に考えておき、不登校になっても良いように様々な保険的な居場所を探していきました。結局不登校に至ったわけですが、残り数ヶ月で高校入学ですが、娘も様々な部分で成長したので良かったと感じています。
ご家庭の考え方や子供の特性によってどちらが良いのか正解は異なるでしょうけど、今回お話しした内容が少しでも参考になれば幸いです。
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