発達障害の診断は受けるべき?メリットとデメリット子供への影響は?

子供の発達障害を疑う母親 療育・病院

発達障害の診断は受けるべきでしょうか。
発達障害だと診断された場合、メリットとデメリットのどちらが大きいでしょうか。
子供に与える影響はどうなのでしょうか。

我が家の場合は発達障害の診断を受けてホッとしました。
でも、これは家庭によって異なると思います。

この記事では
・発達障害の診断を受けるべきか
・発達障害の診断を受けるメリットとデメリット
について、我が家の経験を元にまとめました。
こんな方におすすめ!
・子供が発達障害かどうか心配している保護者
・発達障害の診断が出たら環境がどう変化するのか不安な保護者
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発達障害の診断は受けるべきか?

発達障害の診断は受けることによるメリットとデメリットがあり、どちらが良いかは家庭の状況や子供の特性などによって異なります。

「発達障害の診断を受けて良かった」という人もいれば、「発達障害の診断を受けないで良かった」という人もいます。

とはいえ、発達障害の診断は簡単に出せるものでもないのですよね。

発達障害の診断はどの病院で出してもらえるの?

「子供の発達がどこかおかしい」、「遅れている気がする」等の場合は小児精神科や心療内科に行きます。

でも、発達障害というのは明確な診断基準がないため、専門医であっても簡単に診断を下すことができないのだそうです。誤診を防ぐためにも発達検査や問診などを慎重に行う必要があるのです。
医師によっては比較的簡単に診断名を出す人もいるようですが、発達障害に詳しい医師ほど慎重になるようです。

発達障害にはいろいろな種類がある

発達障害といっても特性などにより、以下のように分類されます。

・アスペルガー症候群
・高機能自閉症
・広汎性発達障害
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)
・学習障害(LD)

といっても、今はこれらの障害名はあまり診断名としては使われず、全部を総称して自閉症スペクトラム(ASD)という名称になっています。同じ発達障害でも1人1人特性が異なるし、正確な診断をするには知能検査その他観察なども必要だし、時間や手間がかかります。また、1つの特性だけでなく2つ以上の特性が混在しているケースも結構多いです。

だから、正確な診断を下すよりも、その子供が困っている点に注目し、それを解決して日々の生活が円滑になるよう支援する方向に変化しています。ですから、診断名を出すのが目的でなく、支援が目的なんですね。

発達障害の診断~我が家の場合

我が家の場合も療育センターに通って1年以上経過してからアスペルガー症候群という診断名が出たのですが、これは医師が積極的に診断名を出したのでなく、私の方から「もしかしたら、娘はアヅペルガー症候群ですか」と聞いたら「そうです」という返答だった、というだけでした。

でも、「あれ、その話してませんでしたっけ・・・」とも医師に言われたので、もしかしたら、「診断したつもり」だったのかもしれません。我が家の場合は毎回質問事項が多すぎて時間切れになることが多く、医師も言い忘れるのかも、と思った記憶があります。ただ、真偽は不明です。

でも、我が家の場合は子育てが大変で常に不安があったので、なぜ常に困った状態に陥っているのかを理解するためにも早期に診断名を出して欲しかったと感じてます。

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発達障害の診断のデメリットで子供のケース

我が家の場合は、私自身が「診断してもらって良かった」とメリットばかり感じていたのですが、考えてみるとデメリットも結構あるんですよね。

デメリットは以下のようなことが考えられます。

(1)発達障害の(悪いイメージの)レッテルを貼られる
(2)特別支援教育の対象となり、支援級や支援学校を勧められる
(3)診断名以外の困難について支援を見逃される可能性がある
(4)診断名がついても、それに対する支援を満足に受けられない
(5)子供自身が診断名を受け入れたくない可能性がある

では1つずつご説明していきます。

(1)発達障害の(悪いイメージの)レッテルを貼られる

発達障害は、その子供自身が障害なのでなく、子供を取り巻く環境に障害があって物事をスムーズに行うことができないという意味です。昔は、「子供=障害」だから治さなきゃいけない、という間違った考え方が主流でした。それが未だに根付いてしまっている地域や教育者もいて、その影響で偏見を持っている人がいるのです。

レッテルを貼るのは以下のような身近な人が中心です。

・義父母、実父母、親戚など
・同じ幼稚園や小学校の子供や保護者

父母などの親戚については診断名が出ることでオープンにできますよね。そして、それを素直に受け入れてくれる親戚もいるでしょう。

でも、逆に「発達障害は母親が原因だ」とか「家系の問題だ」、「母親が甘やかして育てるからだ」などと根拠のない暴言を浴びる可能性もあります。
また、「発達障害を言い訳にして・・・」などと責められる可能性もあります。

我が家では、これらのこと全て言われてしまいました・・・(T_T)
稀に「発達障害だって成長したら普通の子になるわよ」と言われたこともあります。

(2)特別支援教育の対象となり、支援級や支援学校を勧められる

診断名がついていなくても、集団生活上で問題がある場合には特別支援の対象にはなります。ただ、その程度によっては通級程度で済む可能性もあります。
でも、診断名がついてしまうと「やはり支援級や支援学校の方が合っていますよね」と安易に決めつけられる可能性があるのです。(この判断基準については自治体によって異なりますが。)

もちろん、発達障害児の中には支援級や支援学校の方が合っている子供も多くいます。その子供にとっては、診断名がついて合う学校へ進学しやすい方向になれば喜ばしいことです。

でも、その子供によっては支援級でなく「通常級の中で過ごしたい」というケースもあるし、実際に通常級の方が本人には合っている可能性もあります。

支援級か通常級か、という問題については親が進路を考える上で本当に難しい問題ですし、発達障害児の保護者は何年もその問題で思い悩むものです。でも、子供の進路だから子供自身の希望に沿うべきですよね。

(3)診断名以外の困難について支援を見逃される可能性がある

例えば「アスペルガー症候群」となった場合、発達障害の特性に詳しくない先生だと「アスペだからこう対処すればいい」という単純な見方しかできない可能性もあります。

でも、アスペルガー症候群でも1人1人特性は異なります。しかも、アスペルガー症候群以外の自閉症スペクトラムの特性も持ち合わせている人も多いです。

例えば、アスペルガー症候群とADHDの両方の傾向がある場合、ADHDの困難さに対する支援も必要になってきます。だから、安易な診断をされてしまうと必要な支援を取りこぼしてしまう可能性があるのです。

(4)診断名がついても、それに対する支援を満足に受けられない

子育てが辛い場合には療育センターを勧められます。でも、療育センターで発達障害という診断名がついたとしても、そこですぐに必要な療育や支援を受けられるという方向にはなりません。

発達障害児は年々増える一方で、療育センターのスタッフが足りていない機関は多いです。また、医療機関で診断された場合、医療機関には療育施設がないケースがほとんどなので、医療機関で直接療育ができません。

そうなると、どこで支援を受けるかというと、幼稚園の場合には療育センターで、小学生以上の場合には「学校に相談してください」と言われて相談終了となるのです。

でも、学校の支援級は専門的な知識を持っている先生ばかりではありません。困ったことについて「専門のお医者さん等に聞いてもらえませんか」という話が出たりして、たらい回しになっていく可能性が高いです。

(5)子供自身が診断名を受け入れたくない可能性がある

診断名がついてもそれを公表する義務はありません。子供の気持ちや困り度の状況に応じて決めれば良いです。

ただ、子供によっては発達障害だと診断されることに対して「納得できない」、「そう診断されたくない」という気持ちになる子供もいます。特に思春期の発達障害児は神経質なケースも多いので、診断を受ける際には子供に対する配慮が必要になるでしょう。

発達障害の診断のメリット

発達障害の診断のメリットについて、我が家で実際に感じたこと、気づいたことを挙げます。

子供の問題の原因が「発達障害」の特性だと分かった(→ホッとした)。
自分の育て方が悪かったわけではない、と分かった(→ホッとした)。
子供の困り事について周囲※に説明しやすくなった(→ホッとした)。
※義父母、実父母、幼稚園の先生、小学校の先生、習い事の先生等
発達障害の子供への接し方、サポート方法を療育センターに相談できるようになった。(→ホッとした)。

でもコレ、全て母親にとってのメリットなんですよね。

では、子供本人にとってのメリットは何があったか・・・と振り返ってみたところ、衝撃的なことに、パッと思い浮かぶことがありませんでした。なぜかというと、診断を受けても必要な支援を得られなかったからなのです。

発達障害の診断の落とし穴

診断を受けたからといって、適切な支援を受けられなければ子供本人にとってはメリットがありません。

子供の特性で親が困っている場合は、発達障害の診断を受けることで原因が分かって納得したり安心したり、という点ではメリットがあります。
また、その先に、子供が発達障害の特性について支援を受けることができれば、診断を受けて良かったね、という展開になります。

でも、診断が出た全ての人が適切な支援を受けられるとは限りません。
発達障害の特性は1人1人違うので、適切な支援を受けることはとても難しいのです。

明らかに知的障害であれば、小学校以降も受けられるケースはあります。でも、グレーゾーンの場合には基本的に学校での支援を求めていく方向になります。でも、学校における支援は、学校や先生の技量によってレベルが様々です。適切な支援を受けられるケースの方が少ないでしょう。

また、専門である療育機関であっても、機関精神科医や言語療法士、心理士、作業療法士などの療育スタッフが優秀なのかどうか、という問題もあり、地域差もあるかもしれません。ですので、ここから先どう進めるかについては、療育スタッフ等にも相談しつつ、自分自身で考え選んでいく、ということが必要になってくるかもしれません。

我が家の場合、診断を受けた後も適切な療育を受けた実感がありませんでした(泣)

また、知的には問題ない、逆にギフテッドのような傾向の子供の場合も支援を受けられません。学校のレベルだと物足りないけど現実的には支援を受けなければ困り事が生じる、という状況になるのですが、学校では学習面等で困っていないのだから支援の必要がない、というような認識になるんですよね。

さいごに

発達障害の診断にはメリットとデメリット両方あります。
診断を受ける方がよいのか、受けない方が良いのかは子供や家庭環境などの状況によっても異なります。

ただ、現実的には子供や家庭環境以外にも以下のような問題があります。

・診断を出せる医師があまり多くない(発達障害の診断は精神科医でも難しい)
・診断が出たからといって必要な支援にすぐに結びつくとは限らない(優秀な支援者に巡り合うのは難しい)

我が家の場合には発達障害の診断を受けても満足な療育や支援を受けられずに様々な療育機関や病院を転々とすることになりました。この記事をご覧になっている方の中には同じような悩みを抱えている方もいるでしょう。

ただ、最終的には、発達障害の診断があってもなくても、子供が快適に暮らせるようになることが最終的な目標です。

ですので、診断の有無はいったん横に置いておき、

子供が困っていることをどうやったら解決できるか。
(ついでに、自分が困っていることも解決できる方法を。)

この部分にフォーカスして考えましょう。そして、一緒に悩み解決してくれる支援者を探しましょう。

子供の困りごとや自分の困りごとを解決するまでには時間がかかるかもしれません。でも、ブレずに考え、支援者を求め続けていけば、良き支援者に出会える可能性はあります。我が家も何年もかかりましたが解決できました。諦めずに模索していきましょう。

 

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この記事を書いた人
遅咲き星人の母

小学校と中学校で3回不登校した娘がいる主婦です。
現在は通信制高校のサポート校に通学しています。
娘は発達障害(IQ測定不能)のほか、母子分離障害、不安神経症、体幹の弱さ、感覚過敏(主に触覚過敏、嗅覚過敏、聴覚過敏)が酷くて集団活動が超苦手で勉強の遅れもあります。
でも、この数年間は支援者に恵まれ、親子共に少しずつ自己肯定感がアップしてきました。今は、家族とペット(セキセイインコ)が元気で楽しく過ごせる方法を日々考えながら、楽しく生活してます。

(詳しいことを知りたい場合は管理人名をクリックするとプロフィールページに移動します。)

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