不登校は母親のせい?周囲の無理解に疲れたメンタルの回復方法は

不登校は自分のせいだと落ち込む母親 日常生活

子供が不登校になったとき、「母親のせいだ」と言われたことありませんか。

我が家では娘が不登校になってから周囲の人々に色々なことを言われて辛い思いをしました。

家が居心地良すぎて学校行こうとしないんでしょう。

お母さんが甘やかしすぎだよ。もっと厳しくしなきゃ駄目だよ。

そして、さかんに言われるので、自分でもだんだん不安になっていくのですよね。

私の子育てが間違っているのかしら?
学校に行くよう厳しく叱った方が良いのかしら?

でも、こういう心配はしなくていいのです。

何故かというと、そういうことを言う人は皆、あなたのことやお子さんのことを知らないで、自分の価値観だけを押しつけてくる自分勝手な人だからです。

じゃあ、どう考えれば良いの?

この記事では・・・
子供の不登校で悩み鬱気味だった母が、子供の不登校をどう考え、自分のメンタルをどう回復させていったか等をお話しします。

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不登校は母親のせい?どうすりゃいいの?

不登校が母親のせいだと言われたら、まずは聞き流しましょう。(聞き流せない場合は耳を塞いだり、話を聞かずに極力接触しなくて済むようにする等。)

約7年前に娘が最初に不登校になった時の小学校は古い考え方の先生が多くて「不登校はいけないことだ」という認識でした。そのため、毎日学校から電話があったり、同級生に様子を見に家に来させるなどの登校刺激があり、親子共々鬱状態になりかけていました。

なので、近所を出歩くと近所のお母さん方に会って何か言われるかもしれない、と不安になり出歩くことができなくなりました。

また、学校からは、

お母さんがもっと厳しくしないといけませんよ!

と言われてしまい、

なんか違うような気がするけど、否定材料が分からないわ。

厳しくすると娘が余計に動かなくなるし・・・何が正しいの!?

と悩んでいました。

このように、学校の先生に振り回される可能性もあるので、ここで不登校に関する勘違い(に繋がる恐れのある統計)をご紹介しておきますね。

不登校の原因を文部科学省の統計で確認すると?

平成30年の文科省のデータでは、不登校の要因の37.6%が『家庭』となっています。
つまり、不登校児のうち3人に1人の割合で、家庭に問題があるという結果なのですよね。

これを見ると、結構多いですよね。

でも、実はこの文部科学省の統計データ、回答者が学校の先生なのですよね。だから、学校の先生方から見た不登校の解釈なのです。我が家のように、学校の先生が理解してくれずに不登校になった事例もあることだし、そういう場合でも学校の先生から見ると「お母さんが子供を甘やかしたからだ」という理由になってしまうのかもしれません。

そうすると、実際の要因とは大きく異なる可能性があります。
つまり、この統計を不登校児の母親が鵜呑みにしてはいけないということなのです。

まあ、参考までに文部科学省の統計結果について簡単に触れておきますと、不登校の原因として次の4要素が大きいという結果になっています。

  1. 学校生活 →無気力・不安、いじめ、友人関係、先生、勉強が分からない、部活等、学校のきまり、入学や進級時の問題など。
  2. 本人の問題 →病気、起立性調節障害、非行、遊び中心の生活など。
  3. 家庭生活 →家庭内不和、親子関係の悪化など。
  4. 社会的背景

ちなみに、社会的背景については以下のような課題があります。

  • 子供自身の問題~将来の夢や希望がない。自己肯定感が低い。コミュニケーションが難しい。ストレスに弱い。
  • 保護者の問題~少子化で人間関係が希薄化して家庭が孤立する傾向があり、保護者の不安感が大きく子育てに自信が持てずに過保護・過干渉になる傾向がある。
    不況で生活の余裕がなく、精神的なゆとりもなくなる。敏感な子供には親の負の感情が伝わりやすく、悪影響を及ぼす。
  • 価値観の変化~「子供は学校に通うのが当然」という価値観が無くなりつつある。

▼参考資料▼
文部科学省統計:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査TOP
調査結果(令和元年度)(PDF84頁~)
4.小・中学校の長期欠席(不登校等)4-7不登校の要因

参考までに上記の中から我が家の要因を挙げると、学校生活や本人の問題、社会的背景(子供自身・「子供は学校に通うのが当然」という価値観の変化)がありました。このように、不登校になる要因は1つだけではないケースが多いのです。そして、それは部外者が簡単に分かるものではないし、学校の先生だって学校での生徒の様子しか知り得ないのですから、分かりっこないのです。

だから、不登校になった時に「母親が~」「家庭が~」などと言ってくるかもしれませんが、一尺度でしか子供を見てない人の言うことを鵜呑みにする必要はありません。総合的に子供のことを見て判断できるのは、お母さんやお父さんなど普段接している人なのです。ですから、じっくり落ち着いて子供を観察し、自分の感じたことを信じていくのが一番良いのです。

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不登校で母親が疲れた・辛い時期を乗り切った方法

夫の理解

子供が不登校になったとき、家族が理解してくれることで自分の心の土台が安定します。

我が家は夫が子育てにあまり参加しないし、もっと幼い頃に発達障害と診断されるまでの間の苦労を全く理解してくれずに

療育なんて必要ない!

支援級なんて駄目だ!

などと主張していました。

というのも、娘が発達障害と診断された当時、発達障害という言葉は田舎でさほど知られていませんでした。そして、発達障害は目に見えるような病気ではないので

発達障害なんて大人になれば(何もしなくたって)治るんだろう?

と主張していたのです。

でも、小学校入学以降も学校に馴染めず、勉強で苦労している娘の様子を見るようになり、また、運動会などの行事で他の子供達との差を強烈に痛感して、

発達障害でも成長すれば普通の子供になると思ってたけど、全然違うんだな・・・

と気づき、不登校状態になった時には厳しいことを言わず、比較的スムーズに受け入れてくれました。とはいえ、子供の不登校について理解してもらえないと家庭内不和で大変になると思い、ここは時間をかけて話し合いました。

そして、不登校になって1ヶ月経過した後に、ホームスクールで暫くの間(問題の担任が退職するまで)凌ぐか、隣の小学校等への転校を考えるかと悩んでいたところ、夫が

××(私)の実家の地域の小学校に転校しても良いんじゃないか?

そっちの(地域の)方が教育文化が高いし、まともな対応をしてくれるんじゃないか?

と提案してくれたのです。

もちろん、私の実家の地域に転校するなら親の協力も必要なので、それも相談する必要があったのですが、夫と離れて生活することについて認めてくれたので、娘の選択肢が広がりました。それまで八方塞がりだったので、夫の一声が非常に大きかったのです。

また、2度目の不登校後に「もう小学校に通うのは無理」と思っていたところ、夫が

東京に行った方が、もっと良い先生や学校、フリースクールがあるかもしれないよ。

と言ってくれたので、安心して更に遠くに母子2人で引越ししてしまいました。

(夫と離れて生活する場合、生活費などがかなり必要です。我が家は平凡なサラリーマン家庭なので厳しいのですが、娘が一人っ子だからまだ頑張れるレベルだ、ギリギリだけどやってみよう、という方向性になりました。)

そして、さすがに夫の住まいからは遠すぎて不便だということで、夫も転勤時期だったこともあり、東京に近い職場を希望して転勤するということになりました。

周囲の理解

不登校でメンタル回復するには、不登校を受け入れてくれる人や環境が、やはり必要です。

「不登校は母親のせい」と思い込んで落ち込む場合、周囲に不登校に対する偏見のある人や、子供の気持ちを理解する気のない人がいるケースが多いです。

我が家の場合、最初の不登校ではかなり落ち込みましたが、2校目で不登校になった時にはさすがに「不登校は母親のせい」とは思いませんでした。これは、やはり不登校になった娘と母親である私を、学校が完全否定しなかったからでしょう。

そして、フリースクールを経て3校目の小学校にお世話になってから、親子共々メンタル回復していきました。メンタル回復できた理由は、小学校の先生方が私と娘の居場所を常に確保してくれたからです。家族だけでなく、学校などの環境で自分達を受け入れてくれる存在がいることで自己肯定感を取り戻すことができるのだ、と気づきました。

★3校目の小学校の様子についてはこちらの記事をご覧ください。
不登校で保健室登校が駄目だった理由。対応してくれた小学校との違い。

不登校で母親が疲れた後のメンタル回復方法は?

上の2つはとても重要ですが、理解してくれる環境と出会うのは難しいですよね。
幸い我が家では、偶然素晴らしい小学校との縁があって親子共々立ち直りましたが、そういう偶然を探すのはとても難しいです。

実は私、小さい頃から「超絶・運の悪い女」と周囲に言われるくらい、運の悪い女だったのです。嫌だと思うほど悪い方向にいってしまう展開が、過去の人生経験で山ほどあったのです。

ですので、余計に不登校当時はどういう選択肢を取れば良いのか、と悩みまくっていました。

  • どうやったら自分が良い選択肢を掴めるのか(また悪い展開に陥るという不安があった)
  • 娘がどうやったら不登校から脱出できるのか
  • 母親のせいじゃなければ、どうすれば良いのか

そして、自分自身もカウンセリングを受けたりしました。最終的にメンタルを完全回復したのは中学校で不登校突入した頃で、たどり着いた答えはこちらです。

  • 学校は画一的な教育しかできない
  • 個性的な子供は画一的な教育が合わない
  • 学問の目的は学校に通う「行為」ではない
  • 不登校でもやり方次第で学びや成長が可能

幸か不幸か、この答えにたどり着いて暫くしたら、コロナが中国で流行りだし世界に広がり日本でも緊急事態宣言で学校休校という流れになりました。
そして、

学校関係もコロナで色々変わっていくだろうし、

これなら不登校になっても大丈夫だわ!

という確信が湧いてきました。そして、全く自信のなかった自分の子育てを肯定できるようになったのです。気付いたら、メンタルはすっかり回復していました。

実際、その後は不登校に対する考え方が大きく変化してきましたし、教育の多様性を主張する人も増えてきました。

そして、なによりビックリしたのが、不登校後に中学校の先生と数ヶ月に1回(娘交えて)3者面談しているのですが、その度に「お母さん、本当にすごいと思います!」と驚嘆されるようになったんですよね・・・。

私としては、家でやっていることや、すららの取り組みなどを話す程度だし、娘も学校の先生の前だと無愛想でほとんどしゃべらず無表情なのですが。それでも、中学校にいた頃と比べると、娘がすごく成長しているのだろうな、だから先生が褒めてくれるんだろうな、と思います。

不登校で協力者が見つからない場合は?

とはいえ、もしかしたら家族が非協力的だったり、周囲に自分達を肯定してくれる教育関係者がいない、見つからないという人もいるかもしれません。

不登校で協力者がどこにも見つからない場合、SNSなどで不登校関係の情報を探しましょう。

SNSは様々なものがありますが、Twitterだとリアル発信で悩みを相談できたりするし、不登校児や母の前向きな集い等もあるし、専門家も含めて様々な情報が得られますよ。私の場合、メンタル回復後にTwitterを始めたのですが、

もっと前に始めれば良かった・・・。
不登校関係のママさんが多いし、参考になる情報がたくさんあるわ!

と思ったものです。そして、今でも良い情報を見つけると、子育てに生かすべく取り入れ、日々試行錯誤しています。

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さいごに

不登校になるのは、単に学校が子供に合わないだけであり、母親のせいではありません。
もし「母親のせい」とか責める人がいたら、それは価値観が自分や子供と違う人なので完全無視しましょう。

そして、不登校の自分や子供に共感してくれる人を見つけましょう。家族が理解してくれるだけでも心が安定するし、教育関係者で誰か見つかれば更に安心が深まるし、不登校でもそこから社会性を広げていくことが可能になります。

不登校になると親子共々心に傷を負うものですが、このような方法でメンタル回復していくことができます。

そして、協力者がいない場合でも、SNS等で悩みを解決できることがあるので諦める必要はありません。不登校は年々増加しているとはいえ、それでも周囲を見渡すと「我が家だけ?」というケースもあるでしょうけど、SNSに行くといろんな不登校経験者やその保護者がいて、共感してくれますよ。そういう出会いでメンタル回復している人も多いです。

「不登校がいけないこと」というのは昔の価値観であり、先入観に過ぎません。
ぜひ、自分と子供が本質的に輝けるのはどんな場なんだろう、と前向きにイメージしてみましょう。そうすると、少しずつ自分の進む道が見えてくるでしょう。

追記

・・・と、ここまで書いたところで、まさかの気づきがありました。
3回目に不登校になってから1年間で、確かに私や娘のメンタルはものすごく回復して元気になりましたが、よく思い直してみると、その1年間の過程の中には大きな凹みや浮上があったのです。

★詳しいことはこちらの記事をご覧ください。
不登校の母親が失敗したメンタル管理。自覚無きノイローゼの悪影響は?

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この記事を書いた人
遅咲き星人の母

小学校と中学校で3回不登校した娘がいる主婦です。
現在は通信制高校のサポート校に通学しています。
娘は発達障害(IQ測定不能)のほか、母子分離障害、不安神経症、体幹の弱さ、感覚過敏(主に触覚過敏、嗅覚過敏、聴覚過敏)が酷くて集団活動が超苦手で勉強の遅れもあります。
でも、この数年間は支援者に恵まれ、親子共に少しずつ自己肯定感がアップしてきました。今は、家族とペット(セキセイインコ)が元気で楽しく過ごせる方法を日々考えながら、楽しく生活してます。

(詳しいことを知りたい場合は管理人名をクリックするとプロフィールページに移動します。)

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