不登校児の母親は子供のことで悩んでストレスを抱えます。
そうなると家全体が暗くなるし、子供の心を更に傷つける可能性があります。
不登校改善が更に遠のく事態になってしまうんですよね。

じゃあ、どうすれば良いのよ~!?
実は、我が家でもこんな展開になり、元々不安神経症傾向のある娘がさらに不安に陥り、気持ちが沈んでしまいました。
そして、こんな状態を打破するのは容易ではありません。
でも、ある時、とあるきっかけで私のストレスがスーッと消えていき、娘も気付いたら明るく元気になっていたのです。
不登校の母親がストレスから解放された瞬間
1回目と2回目の不登校では親子2人して心が沈んでいました。(関連記事はこちら→1回目・2回目)
でも、3回目の不登校では割り切って考えていたつもりでした。でも、自分では明るく振る舞っていたつもりでしたが、実は心の奥底では深く悩んでいたのです。そして、それが娘の心を非常に重たくしてしまいました。(関連記事はこちら→3回目)
でも、あることがきっかけで、毎日がすごく楽しいな、と感じるようになりました。
それは、フルート演奏でした。
挫折と再起を繰り返した20代
実は私、大学時代にフルートを専攻していたのですが、伸び悩んで結局大学卒業時に止めてしまいました。だって、プロの演奏家として生活していけるのはほんの一部だけ。才能と運の両方が必要なんです。だから、大学卒業後は一般企業に就職して数年間OLをしていました。
でも、暫く離れていたら「やっぱり音楽が好き!再開したい!」という気持ちも湧いてきて、たまたま出会った外国製のフルートを買ってしまい、それを練習したらまた演奏したい気持ちになり。
そして、そういう気持ちになると大学時代のスランプも全て自然解消していました。「好きこそ物の上手なれ」でしょうか。
また、その時偶然声を掛けてくれたアマチュアの知り合いとアンサンブルを楽しむようになりました。
結婚と出産で再度挫折した30代
ですが、アンサンブルで楽しんだ時期も数年間だけでした。メンバー全員が忙しくなり、自然解散することになったのです。
そして、その後は私も結婚と出産、ということでフルートに触る機会もなくなっていきました。
でも、娘が3歳くらいになると親の欲目で「娘には音楽の英才教育をさせたい!」と考えるようになりました。そして、娘の前でフルートを演奏したのですが、予期せぬ出来事があったのです。
娘は私がフルートを吹くと怒りだすのですΣ(゚Д゚lll)
最初の数分間はいいけど、5分も吹いていると、

もう、おしまいにして!
と怒りだして私を止めるのです。
これにはガッカリしましたし、音楽の英才教育そのものも、娘が全然やる気にならなかったので断念しました。
それと同時に、親の叶わなかった夢を娘に託すというのは駄目なんだな・・・と反省しました。
こんなイタい出来事があったため、そもそも私自身にも音楽の才能が無かったのだろうと感じてしまい、その日以来フルートを封印していました。
音楽できる喜びを知った40代の最後
でも、昨年秋になり、娘が通っているシュタイナーの音楽療法で
と先生に誘ってもらったのがきっかけで、フルートの練習を再開したのです。
先生に声を掛けてもらう時点まで十数年間まともに演奏してなかったので、どうなることやら、と最初は心配していたものの、いざ音を鳴らしてみると、

ああ、音楽って楽しいなあ。
幸せだなあ~。
と、楽器から一音鳴るたびに感動してしまいました。
まあ、最初は感覚を忘れていたので必死でロングトーンなどの基礎練習から始めたのですが、たった一音だけでも楽しいのです。音を出す喜びを噛みしめてしまうくらい。
そして、1ヶ月半後に無事発表会が終わりました。
ここで今後のことを悩みました。

演奏する口実ないけど・・・
フルート吹いても娘に嫌がられないかな?
というのも、娘が3歳の時にフルート演奏したら、「もうおしまいにして!」という反応だったのでまた言われるかと心配だったのです。
でも、娘は全然何も言ってくる様子はありませんでした。なので、娘がライアーを触っている間、隣の席でロングトーンをしたり、音階、エチュード、曲などをひたすら夢中になって吹いています。
ちなみに、指の技術は大学時代から比べるとかなり衰えているけど、音色は今が一番良い響きになっているし、音楽の表現もかなり深くできるようになったんじゃないかな・・・と感じてます。
娘への影響
私がフルートを楽しむようになったら、娘もかなり変化してきました。
・ライアーをたくさん演奏するようになった。
娘の場合、それまでは練習時間毎日5分が限界だったのですよ。ところが、今は1日20~30分触って、曲を一所懸命練習しているのです。
・様々な曲に興味を持ち、意欲が出てきた。
・ライアーの音色がすごく良くなった。
ライアーはフルートと違って指で弾けば音が鳴ります。だから音色の良し悪しはあまり無いのかもしれません。でも、どの音も均一に響かせることが出来ているので、娘の心の作用ではないかと感じてます。
このようにして私は「楽しい。幸せ。」という感覚を味わい、子供も良い方向に変化していきました。この一連の出来事を通じて、不登校の子供が立ち直るためには、親が好きなことを見つけて人生楽しむのが大事と実感しました。
人生の楽しみ方。不登校の子供がいても可能?

でもね、不登校の子供って家にいるでしょ?
私だけ楽しむなんて無理なのよ。
と思うかもしれません。
でも、こんな状況でも人生を楽しむことは可能です。
ただし、自分と子供を切り離して考えることが必要なので、かなり難しいと感じる人が多いでしょう。
現実的に、子供が不登校なのに無理だよ、と思う人が多いし、私もそう思っていました。

子供が早く学校に復帰してくれたら私だって人生を楽しめるハズよ!
でも、実は、考え方が逆なんです。
子供の不登校を改善したいのであれば、子供を家から学校に追い出すのでなく、先に自分が人生を楽しめるようになることが重要なのです。
自分が楽しめるようになると、自然に子供も人生を楽しめるようになります。
そして、学校へ復帰するなり、学校以外の居場所を見つけて前向きに、自分のやりたいことをやれるようになります。
それは何故かというと、
お母さんが幸せだと家の中の空気がおおらかになります。
そして、子供は家で安心して過ごせるようになるのです。
実は、不登校になった時に子供が真っ先に不安を感じるのが、居場所なのです。
学校から排除されたような気持ちになっているので「家が一番の居場所だよ」と言葉で伝えることも大切ですが、それと同時に体で感じさせることが大切なんですよね。
でも、私も過去にそうだったのですが、

学校が駄目ならフリースクールで!
学校が駄目なら放課後デイで!
と安易に物理的な場所探しに奔走してしまう人が多いでしょう。
でも、そういう場所を探す前に、自分の家はどうなの?と振り返ると、

不登校を何とかせねば!
と躍起になっている母親は、結構切羽詰まった雰囲気だったり、お通夜のような雰囲気になっているものです。そういう親を家で見ていると、子供としては全然安心できませんよね。
だから、子供のことで心配している姿を見せるべきではないし、更に、子供に隠れて心配しているのも、子供には漏れてしまうため避けるべきです。

でも、子供が不登校だと心配するのは当然でしょ?
と思うかもしれません。
でも、学校に通わない状況って本当に心配すべきことでしょうか。
実は、世間体で心配していたり、子供の将来が台無しになる、などと決めつけたりしている可能性もあるんですよね。
学歴が大事と考える気持ちも分かります。今までそういう時代だったから。
でも今は、学校に通ってなくてもビジネスで大成している若者も結構いるし、得意なことを伸ばして仕事に結び付けていく若者も多いです。
また、学ぶことは学校でなくても可能です。
ホームスクーリングで自分のペースで学ぶ子供もいます。
今は時代が大きく変化しています。価値観も変わってきています。
この先、企業への就職が当たり前でなくなる時代が来るかもしれませんし、そうなると、良い大学を卒業したからといって良い就職先が見つかる、という流れは無くなっていくでしょう。
そんな中で不登校の子供がどうしたら生きていけるか、と考えていくと、学校に復活することよりも、自分の長所を伸ばして、どんな時代でも楽しく前向きに生きていく力をつけることが必要でしょう。
となると。
今できることとしては、
今を楽しく生きること。
ということになります。
将来しなきゃいけないから、将来そうならなきゃいけないから、という先のことを出しても子供には歓迎されないし、想像できないものです。
それよりも、今地面に足をつけて前を向き、「楽しいな」と感じる経験をたくさん積みましょう。
親が子供の将来を不安だと感じるなら、子供も自分の将来が不安なのです。
だからこそ、今を楽しく過ごせるよう考えて取り組みましょう。
親子一緒にできれば良いのですが、子供に動けと言っても自分以外を動かすのは無理です。だから、まずは自分が楽しく過ごせるようにしていくのです。
で、本当に体の中から楽しい、という気持ちに変わると、子供も自然に引き摺られて「楽しい」ことを追い求めるようになっていきますよ。
絶対に無理だよ、と思い込んでいた私が実際に変われたのだから、あなたもきっと大丈夫。前を向いて楽しいと思うことを色々やってみてください。
楽しい、と思うことは人それぞれ違うので具体的なアドバイスはできませんが、
・やりたいと心から感じるもの(収入は度外視で。)
・子供のことはその時だけでも切り離す(見放すのでなく、「見守る」スタンスで。)
こんなことを中心に、気になるものをやってみてください。
さいごに
私の場合は大学時代まで夢中になっていた音楽を再開したのがきっかけでした。
元々、音楽が好きでたまらなくて音楽大学まで行ったのですが、プロとしてお金を稼ぐほどの才能はないと感じて断念したのです。
でも、演奏家になれなくても「好きなものは好き!」と堂々と言って良いはずです。それを言えずに、プロになれなかったことをものすごく卑下していたんですね。
そこから、自分と同じことを娘に求めてしまっていたことに気づきました。
・学校に通ったら勉強ができなきゃいけない。
・皆と同じことができなきゃいけない。
・できれば人より優れた才能が1つくらいあってほしい。
でも、人と比べて云々でなく、自分が好きかどうか、楽しいかどうか、と感じることが重要だし、それがあって初めて自分の本来の素質を活かせるのではないでしょうか。
だからこそ、現時点で何か収穫を求めるのではなく、まずは「今を楽しむ」ことが第一歩なのです。
ぜひ一度じっくり自分を振り返って、本当に自分がやりたいこと、楽しいと感じることを体験してください。それが出来ると、子供が変化しはじめますよ。
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