
不登校中の過ごし方ってどうすれば良いのかしら?
小学生の子供が不登校で昼間から自宅にいると、お母さんとしてはどう対応すれば良いのか分からず悩みますよね。
家で一人で留守番してくれるようなしっかりした子供なら良いかもしれないけど、小学生低学年くらいだと安心して外出できない、仕事に行けない状況になるかもしれません。
我が家でも、娘が1回目の不登校になった時点でパートを一時休ませてもらい、娘と一緒に過ごすことにしました。
とはいえ、娘と一日中一緒にいると、様々なことに悩むものです。渦中にいると冷静に考えるのが難しくて答えを出せないことも多いです。そして、後になってから「あの時にはこうした方が良かったのに」等と気づくのですよね。
★我が家の3回の不登校についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
→特別支援学級記事まとめ~小中学校で悩む親が読んでおくべき実例
不登校中の過ごし方で小学生の場合は?
不登校すると真っ先に悩むのが「昼間、家でどう過ごすべきか」という問題でしょう。
不登校ママは第一に「学校を休んでいるのに外に出てはいけないのではないか」と考えてしまうのですが、この考えを取っ払うことで気が楽になりますよ。
「学校に行くべきだ」という考え方は、自分が育ってきた環境で植え付けられた先入観であり、これは絶対的な正解ではありません。義務教育は学校に通わせる義務ではなく、子供が教育を受ける権利の問題です。ですから親は、子供が教育をどのようにしたら受けられるか、明るく元気で成長できるかを考えれば良いのです。そのためには学校へ行く方が良いのでしょうか。それを自問してみると答えが出てくるのではないでしょうか。
学校へ行かなくても子供は育つことも可能です。ただし、放任でなく親やその他大人が見守っていく必要があるのですが。子供が安心できる環境でこそ明るく元気に育ちます。ですから、親は子供が安心できる環境を整えてあげることが重要なのです。
昼間に家の外に出たらいけないの?
家の中で過ごしても良いけれど、良い天気の日なら外に出たいという気持ちになるかもしれませんよね。そんな時には外出が気分転換になる場合もあるので、その時の気分で自由に過ごす方が良いです。
といっても、最初はコレがなかなか難しいハードルかもしれません。
我が家で最初に不登校になった時には、

外に出ると、近所のおばあちゃん達の視線が怖いわ!
「あそこの子供、学校行かないでサボっている」
なんて陰口叩かれそう・・・
という不安があり、ひっそりと家の中で息をひそめるように生活していました。隣の家との距離も1mしかなかったので物音を立てるのも怖かったのです。
この当時は「不登校なんて良くないことだ」という風潮が強かったし、ちょっと田舎の地域でお節介な老人が近所に多くいて、会ったら何か言われるに違いない、という恐怖があったことも影響しました。
家の中で過ごすのももちろんOK!
外出は気分転換になるけれど、毎日外出ばかりだと出費が大変ですよね(電車バス代、昼食代、その他施設見学の場合にはその費用もかかります)。ですので、その辺は臨機応変にやりましょう。家の中で一日過ごす方法でも勿論大丈夫です。
結論としては、家の中と外出のどちらも大丈夫です。ただし、どちらにせよ周囲のことを気にしないことが前提です。
我が家の経験でいうと、気にすればするほど他人からあれこれつまらない事で突っ込まれる傾向がありました。そして、不登校経験を重ねるほど不登校を自分で納得できるようになり、堂々と外出できるようになっていきました。
このように意識の持ち方が変わることにより娘の自己肯定感が上昇したようで、笑顔が増えて元気になりました。
不登校中の昼間の過ごし方で悩んだこと
不登校中の勉強はどうすれば良いの?
親としては一番心配なのが勉強が遅れることですよね。
勉強は、無理強いしないことが基本と言われています。
といっても、これが難しいのですよね。親としては、特に一日中子供を見てしまうことになるので、のんびりボーッと過ごしていたりゲーム漬けになっているのを見ると焦ってしまうものです。我が家でも、3回の不登校期間の大部分が「娘よ、どうかやる気になってくれ~!」という気持ちでした。
特に、1回目の不登校(小学2年生)は学校への不信感や勉強の苦手感が大きな理由だったため、「勉強やろうよ」とは言えませんでした。
そのため、娘と一緒にお菓子作りをしたり、プラバンで遊んだり、療育的な遊びをしたり・・・というのを中心にやっていました。
療育的な遊びは、感覚統合療法関連の以下の本を参考にしていました。
2回目の不登校期間(小学5年生)は、勉強の苦手感はあるものの、本人としても「なんとかしなきゃいけないのではないか」という気持ちが少しずつ芽生えてきたので、苦手な算数は「算数パズル」で簡単な掛け算に慣れたり、そろばんを教えてそこから指と頭の練習になるようにしていきました。
その他、理科や社会は料理から学ぶような本を購入したりして、勉強と生活が密着している。だから勉強は必要だし、出来る方が便利だよ、という方向でやっていました。
ただ、我が家の場合は幸か不幸か母子分離不安があり、家の中でも娘がべったりと私にくっついていたため一緒に勉強(もどき)をすることができました。一般的には、小学生でも学年が上がれば上がるほど親から離れてしまうと思いますし、勉強は本人任せにしかできないのかもしれません。
家の手伝い、掃除、料理など
不登校の場合、

勉強をやらせるのは難しいけど・・・そうだ、
家の手伝いや掃除、料理、洗濯等をやらせてみよう!
こんな考えもありますよね。
ですが、我が家の場合、私の最初の声かけが悪かったせいか、全然やる気になってくれませんでした。

家にいるんだから手伝いしなさい!
こんな声かけが悪かったようですorz
まあ、これについては別の要因もあったようです。元々恐怖心が強い特性だったため、包丁を持ったり油を使う料理が(揚げ物でなく、炒め物、目玉焼きも)怖くて、

本当はお母さんみたいに料理できるようになりたいけど、包丁は血が出たら怖いし、炒め物は油ハネで火傷するのが怖いの。だから無理!
こんな気持ちだったそうです。
また、掃除については以下のような感覚だったそうです。

トイレは汚いから、掃除で手で触るなんて無理!
娘の場合は特に潔癖症や触覚過敏があったので様々な場面での掃除ができずに困りました。床に髪の毛一本落ちているだけでも汚いと感じるのだとか。落ちている髪の毛が自分の髪の毛だったとしても、汚いと感じるそうです。
また、嗅覚過敏もあったので、以下のような場面も多くありました。

部屋のニオイが酷いよ!
お父さん、またキムチ食べていたのね!?
その他、父親の加齢臭対策のボディソープのニオイが嫌と言って、お風呂掃除をするのを嫌がります。
我が家の場合は全てにおいてこのような調子なので、「本人のやれるところから」「やる気になったところから」というスタンスで考えております。
不登校中の自宅での過ごし方の工夫
好きなこと、興味のあること、習い事
不登校になった場合、「好きなことや興味のあることをやらせればいい」「得意なことを伸ばせばいい」等と言われますし、多くの親がそう考えますよね。でも、それと同時に、

でも、ウチの子供は得意なことがないし。
せめて、好きなことでもやってくれれば良いのだけど、
好きなことがなくて、何に対しても興味を示さないのよ。
どうしたら良いのかしら?
ということで悩むのではないでしょうか。
我が家の場合、まさにこのパターンで困っていました。
とはいえ、子供によってこういうものが見つからない原因は色々異なるはずです。また、我が家の場合ですが、実は親は知らなかったけど、子供は好きなことを大事に育んでいたというケースもあったのです。ですので、ウチの子供は何が好きなのだろう、無さそうだなあ、と思ったら、よく子供を見守ってみると分かってくるかもしれません。
我が家の場合で言うと、次のようなパターンがありました。
(1-1)否定されるのが怖くて言い出せない、行動に移せない。
(1-2)実行していたけど、親が気付かなかった(本人も無自覚でやっていた)。
(1-3)実行して親も知っていたけど、好きや興味の範疇とは気づけなかった。
(2-1)狭い世界しか知らなかったので、好きな物事に出会えていない。
(2-2)恐怖心が強くて、自分がそれを好きだと気づけなかった。
我が家の場合、この5パターン全てありました。なぜ気づけなかったかというと、以下のような様々な理由があったからです。
娘の場合は自閉傾向が非常に強かったため、幼い頃は視野が非常に狭かったです(今でも狭いのですが)。そして、世間の物事に興味を持ち始めたのが小学校5年生くらいでした。また、感覚過敏が強く、あらゆる場面で恐怖心が湧くため、物事を「楽しい」と感じるようになったのも遅かったのです。
また、私自身が未熟で「こうしなきゃいけない」論を幼い頃から娘に無自覚で押し付けていたようです。その結果、娘には「こういうことを言ってはいけない」という思い込みが生じてしまいました。そして、「自分の好きなことや興味のあることを話したくない」という歪んだ気持ちになってしまいました。
そして、親は子供の「好きなことや興味のあること」について勉強や習い事に限定して見る傾向があるかもしれませんが、限定してしまうと見逃す可能性もあります。「好きなことや興味のあること」は勉強や習い事に限定するべきではないし、1つに限定する必要もありません。
我が家の場合、意外なところに娘の興味関心があると気づいたのですが、それは、買い物に行った際に判明しました。
買い物で見つけた、娘の好きな物事
小学生になれば一人で買い物に出かけることもあるでしょうけど、我が家の場合は母子分離不安があり、近所のコンビニへの買い物さえ一人で行けません。なので、買い物は必ず娘と一緒に行っていました。
買い物はとても楽しい様子だったので、折角なら、娘が楽しんで勉強に親しめるようにと考えました。
娘の算数レベルは当時低かったので難しいことは教えませんでした。どちらかというと興味の対象は「商品の成分」でした。そこで、気になる商品を探しては、類似商品との成分比較をしました。加えて、その違う成分にはどんな効果があるのか等、隅々までチェックすることにハマっていました。
こういう興味関心が将来的に何かに結びつくかは分かりませんが、日常生活の意外なところに子供の興味関心が隠れている可能性もあるので、あまり悲観しないで子供をじっくり観察してみると良いかもしれません。
メンタル面のケア
不登校になった子供の多くは自己肯定感が下がっています。ですので、自己肯定感があがるようにしていくことが大切です。

でも、どうやってすれば良いの?
と思うのですが、何かに取り組み、出来るようになって自信をつけさせるよりも、まずは、母親が子供の心に寄り添うことの方が大切だと私は考えてます。
我が家の場合、1校目や2校目の不登校ではそれが全然できていませんでした。ようやく3校目にしてそこに思い至るようになりました。
そして、ウチの娘はグズグズしたり、突然ブチ切れたりする傾向が強かったのですが、そこで怒らずクールダウンしたのを見計らい、「なぜそういう気持ちになって行動してしまうのか」を考えつつ娘の声を聞き、気持ちを引き出すようにしていきました。
非常に時間がかかる作業ですが、この作業を続けていくと、ある時点で「ああ、なるほどなあ。そういう気持ちだったんだ。だからブチ切れちゃったんだね。」と思えるようになり、本当の意味で共感できるようになりました。
また、子供のメンタル面も重要ですが、同時に、母親のメンタル面も下がっていることが多いので、自分のケアを忘れないようにしましょう。
別記事でも時々お話ししていますが、「不登校はいけないことだ」と思わなくていいのです。
数年前までは不登校について否定的な見解が多かったけど、今は文科省だって無理に登校させなくて良いというスタンスに変わっているのですし、学校に行く以外のフリースクールやホームスクーリングも認められています。
ただし、子供は教育を受ける権利があるのだから、子供の勉強に対する意欲や何かを掴みたい気持ちを尊重して、出来る限りのことをしていけば良いのです。
そして、子供に接する時だけでなく、自分自身が伸び伸びとやりたいことをやれる時間を作ることも重要です。
「子供のために我慢している」と、子供って敏感だから(特に不登校をするような子供の場合は)伝わってしまうのです。そして、相乗効果で悪い方へとお互いが引っ張られてしまいます。
そうではなく、お母さんが自由に楽しんでいる姿を見ることで、「ああ、そうか。私もあんな風に自由に過ごしていいんだ」「私もいろんなことを楽しもう!」と思えるようになっていくので、ぜひ、1日に数十分でもいいのでリフレッシュするようにしましょう。
さいごに
義務教育は、学校に通わせる義務があるのでなく、子供が教育を受ける権利があるということです。ですので、「不登校は後ろめたい」という気持ちを持つ必要は全くありません。不登校中の過ごし方は自由なのです。
これらを理解していれば、不登校中の過ごし方について不安を抱くこともなくなるでしょう。
ぜひお子さんと笑顔で過ごし、元気を取り戻してくださいね。
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