ウチの娘は小学校2校で不登校になり、中学入学と同時に学校復帰したのですが、中学2年生の秋に3回目の不登校となりました。

一度不登校になると癖になりますよ。
不登校になると、こんなことを言われるかもしれません。
でも、我が家の3回目の不登校では、娘自身が色々考えた末に「学校は意味がない」と結論を出しました。また、その後は前向きに高校進学目指して勉強中です。
★1,2回目の不登校については、以下の記事をご覧ください。
→不登校その後はどうなった?原因が先生だった1校目小学校の実例と反省
→小学校が怖い、つまらない。支援級で不登校へ至った発達障害児の事例
学校へ行く意味ないと思った理由とは?
「学校へ行く意味がない」というのは、全ての人に当てはまることではありません。「その子供にとって学校は行く意味があるのか」と考えるべきです。
小学校や中学校は義務教育です。だから、子供1人1人が教育を受ける権利があり、そのために学校に通っています。親の立場としては、できる限り学校で教育を受け、家庭で学べることは家庭で教えていくのが良いでしょう。
ですが、我が家では、私も娘も、中学校に1年半通ってみて「学校に行く意味がない」という結論に至りました。その理由としては、学校生活で得られるべき知識や社会性などを身につける機会が乏しかったことが一番深刻でした。
勉強面の問題について
というのも、娘の場合、発達障害特性や感覚過敏特性があり、苦手な物事が非常に多いので配慮をお願いする必要があります。さらに、元々勉強が苦手だった上に小学校で2回の不登校があったので、勉強がかなり遅れていたのです。
そして、中学進学時に就学相談や知能検査を受けた結果、支援級(知的障害学級)になりました。
★中学進学時の判定については、別の記事で詳しくお話ししております。
→中学が支援級だと高校進学出来ない?支援級判定でも普通級に入れるべき?
知的障害学級の場合は、支援学校と同じような授業内容で、文科省の定める中学校の学習内容とは別の授業になってしまうのが最大のネックだったのですが、実際に中学校入学後に授業を受けてみると、基本的な勉強がほとんどなく、小学校低学年レベルの授業しかありません。でも、先生も生徒も、何も疑問を持たずに日々の学校生活に満足している様子だったのです。
★支援級の授業内容についてはこちらの記事をご覧ください。
→知的障害学級の授業は?中学支援級の内容に驚愕!娘が不登校になった理由
知的障害学級といっても、様々な生徒が入学してくるので単に勉強が苦手なだけの生徒も在籍します。ですので、そういう生徒は支援学校への進学でなく、普通の高校で勉強が苦手でもOKな学校を選んで進学しているようですが、それでも最低限の学習知識は必要なので、学校外で塾通いするなど工夫しているようです。
我が家の場合もそれに倣って個別指導塾に通っていたのですが、娘の場合は平日の日中に学校で拘束された後に個別指導塾での勉強となると、虚弱体質なこともあり疲労困憊になってしまいました。
社会性での問題について
娘の場合は元々集団生活に馴染むのが苦手なこともあり、不登校になっていました。
ですが、娘の学校への意欲が出てきたこともあり、不登校を脱却したい気持ちと、集団生活で社会性を身につけて欲しいという気持ちがありました。ですので、就学相談や学校見学などを通じて考えた結果、
- 支援級のような小集団かつ落ち着いた環境なら過ごせるのではないか?
- 社会性もその中で多少は身につくのではないか?
と考えて学区の中学校支援級という環境を選びました。(複数の中学を見学して、この中学が一番落ち着いている様子だったのです。)
ですが、3年間通うことができずに再び不登校になってしまったのですよね。
でも、この不登校ではあまり後ろ向きな気持ちにはなっていません。
というのも、以下の気づきがあったからです。
- 娘の場合、社会性は学校以前の問題だった(一対一の信頼関係を築くのが前提。)
- 娘の場合、学校では長所を伸ばせない(均一化された授業のため苦手矯正が中心。)
その結果、学校に通う意味を感じられなくなり、意欲を失ってしまいました。
(あくまでも、娘の場合は学校が合わなかっただけで、そうでない子供も多いと思います。)
中学不登校 その後の経過は?
中学校を不登校になった直後には様々な不安がありましたが、その中でも一番気になったのが将来のことでした。
・不登校になったら高校に行けるのか
・支援級だったので勉強が不安
・学校で過ごせなかったのに社会に出られるのか
ですが、約1年経った現在は意識が180度変わっています。
・不登校になって良かった
・支援級だと勉強は殆どやらないので意味がない、と実感できた
・人に自分の気持ちを伝える意欲が1年間で少しずつ育ってきた
不登校になった時点では全然想像できなかったのですが、この1年間で娘は大きく変化しました。これは、娘が不安だった点について1つ1つ洗い出して親子で取り組んだおかげだと考えてます。
不登校の娘へどう対応したか
勉強について
勉強については、学校へ通わなくなった時間を親子で勉強することにして、なぜ娘が勉強を理解できないのか推測し、娘の理解しやすい言葉で説明し直すなど、理解を重点において娘のスローペースに合わせてやりました。
高校進学について
また、高校進学について親子で沢山話し合い、実際に様々な高校を見学したり体験入学して、娘が抵抗なく通えそうな高校の目星をつけて中等部に入学し、定期的に高校とコンタクトを取っていくようにしました。
我が家の場合は進学先を通信制高校に絞っていましたが、体験入学してみると、通信制高校の場合は中学で不登校をしていたという生徒が非常に多いことが分かり、その時点で「不登校していても楽しい高校生活できるんだ!」と気づいたので、親子共々すごく安心できたのです。
自己肯定感の上昇
また、実際の勉強については中等部でも相談できるのが良かったです。約半年後の4月にインターネット学習教材「すらら」を知り、中等部を併用しつつ「すらら」も取り組み始めたおかげで、娘の勉強に対する理解度が一気に深まりました。
そして、なんと・・・

私って、意外と勉強できるじゃん!?
と言うようになったのです。
★すららについては、以下の記事をご覧ください。
→すららが発達障害に評判良いと聞いて無料体験した娘の劇的変化に唖然
社会性について
社会性については「学校に行かないと社会性が身につかない」等と思われるかもしれません。でも、イヤイヤ通っても身につかないのが人間の特性ですよね。まして、発達障害特性のある子供なら尚更身につくわけありません。完全に心を閉ざした状態だと無理なのです。
せめて不登校でも友達との交流があれば良かったのでしょうけど、我が家の場合、ずっと母親ベッタリで周囲の同世代の子供には興味が湧きません。包容力のある大人か年長者でないと無理なのです。
ですので、この部分については信頼できる支援者に助けを求めており、毎月1回程度面談させてもらうようにしています。カウンセリングというより、ちょっと年上のお友達的な立場で、近況報告したり、困っていることをどうすれば良いのか相談して、一緒に考える作業をしています。
これによって娘の心はかなり解れたし、本当に信頼できる数少ない人とのコミュニケーションだけですが、すごく成長してきた感じです。
家庭におけるコミュニケーション
とはいえ、月1回だと少ないし、その他は母との日々のコミュニケーションが大事だと感じており、日々の些細な話から勉強や進路に対する考えなどを通じて、自分が今感じていること、思ったことなどを言葉に出す練習を続けています。
実は、娘は母子分離不安があるのですが、それが影響しているのか

お母さん、私が今何を考えたか分かるよね。
だってお母さんは私と同じだから~♪

いやいや、分かるワケないでしょ~。
娘ちゃんとお母さんは別人よ。
体は切り離されているの。見て分かるでしょ?

えっ、お母さんって私のことを全部分かってくれてると思っていたのに。違うの!?
こんな思い込みがあったのです。そのため、小さい頃から人に物を伝える必要性を感じていなかったようで、「全て母が代理で話せばいいや」という人任せの意識があったのです。
不登校になって様々な物事に踏み込んで話すようになり、ようやくココに気づくことができました。(かなり私にとっては衝撃的なことでした。)
なので、「(思い込みを)そうじゃないんだよ」「お母さんは▲▲ちゃんが今どんなことを考えているのか分からないから教えて」等、娘から様々な思い、考えを引き出すように話しかける努力を日々根気よく行っています。
母子分離にとても長い年月がかかっているのですが、こうやっていくことで少しずつ自他分離が出来ていくのかなあ、と考えています。
コロナ禍による心境の変化
コロナによる緊急事態宣言の間は中等部が稼働しなかったので、ひたすら「すらら」を行っていました。不謹慎かもしれませんが、全国的に学校が休みだったため、勉強を楽しむことができました。
これが良かったのか、その後学校再開した際も不登校についての罪悪感もなく不登校継続中です。
さいごに
不登校しないで学校に通ってくれる方が親はラクですよね。
でも、学校の環境が合わない子供もいるし、環境調整でどうにかなれば良いのですが、難しい場合もあり得ます。それは、子供のせいでもないし、産み育てたお母さんの責任でもないです。
そういう場合には、不登校という選択肢もあります。また、我が家の場合には高校の中等部や「すらら」等のオンライン学習教材を併用しながら子供に必要な教育を受けられるように環境を整えましたが、その他放課後デイやホームスクーリング等の選択肢もあるでしょう。
ただ、不登校する場合にはお母さんが大変になるかもしれません。(我が家の場合には元々付き添い登校していたため、不登校でも全然負担感は変わりませんが。)
お母さんに無理のない範囲で、お子さんにとってより良い選択肢を選べますように。また、不登校後に何をしたら良いのか、我が家の事例が少しでも参考になれば幸いです。
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