発達障害児は個別指導塾なら成績が伸びる?娘が通って気付いたこと

個別指導塾 勉強習い事

発達障害児で勉強が苦手な場合、一般的な塾に通ってもなかなか成績が伸びませんよね。

そこで、発達障害児専門で調べてみると、近年は様々な塾があるのですが、どこも個別指導形式が多くて費用も高額です。そこまでお金を出す価値はあるのでしょうか。

我が家では娘が中学1年生から2年生までの丸2年間、発達障害児に特化した個別指導塾でマンツーマンの授業を受け、親の期待以上に成長しました。ですが、良かった反面、課題も浮き彫りになってきました。

そこで今回は、娘の通った発達障害専門の個別指導塾での経験から得たこと、問題点などをお話しします。

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発達障害児は個別指導塾なら成績が伸びるって本当?

「発達障害児が勉強をきちんと理解するには個別指導でないと難しい。」

これは、娘の通った個別指導塾の教室長に初めて面談した時に言われた言葉です。私自身もそれまで失敗した様々な塾での反省から、ウチの娘には必須条件だなあと感じていたので、言われた時にすぐに納得しました。
(全ての発達障害児にコレが該当するかは分かりませんが、多くの場合にこういう傾向はあるはずです。)

ちなみに、我が家の過去の失敗経験は以下の記事をご覧ください。

学研教室に通った結果
パーソネルに通った結果
フリースクールに通った結果

上の3つの内容をご覧いただくと分かるのですが、過去通った3つの塾は、全て一対一ではありませんでした。(たまたま他の子供が不在で一対一の日もありましたが、だいたい先生1人に対して生徒が2人以上のケースが殆どでした。)

発達障害児が個別指導の方が理解しやすい理由としては、

・一対一でないと勉強が頭に入らないケースが多い
・特性に応じた指導ができる
・本人の理解度を確認しながら進められる

このようなことがあります。

一対一のメリット

集団だと理解できない子供でも、一対一の場合は理解できるケースが多いです。

ウチの娘は集団の中にいる場合、先生の指示が自分に対するものか、他の生徒なのか、あるいは全員対象かが全く理解できませんでした。支援級のような小集団でも同様です。なので、他の生徒を叱った場合に自分も叱られたと思い込んで萎縮したり、自分に対する指示なのに気付かないでボーッと過ごす、ということが多かったのです。

そして、他人の目が気になるため、他の子供がいると神経過敏になり、落ち着いて勉強に集中できません。(これは成長するにつれて症状が酷くなってきたため、度重なる不登校の影響で不安が増大しているのかもしれません。
ただし、これは子供の特性によって異なると思うので、ここまで絶対に一対一でないと無理なレベルでないお子さんもいるかもしれません。

特性に応じた指導

発達障害の場合は特性に凹凸があるため、苦手な方法を避けつつ教えるのが効率的だし、子供の心の負荷を減らすことができます。

脳の認知が継次処理と同時処理どちらの傾向かによって理解しやすい勉強方法が異なるし、その他、書くのが苦手な場合は「何度も書いて覚える」方法だと難しいし、発声が苦手な場合は「何度も音読して覚える」という理解の仕方が難しいです。

ウチの娘の場合は体幹が非常に弱くて文字を書くのが苦手だしすぐに疲れます。また、声を出そうとすると緊張してギクシャクするし、他人の前だと蚊の鳴くような声しか出せません。なので、学校で普通に勉強するような方法だと嫌がるし、やる気をなくしてしまいます。

そのため、漢字や掛け算九九のような「書いて覚える」「唱えて覚える」を無理強いさせずに教えることが重要だったのです。

理解度を確認しながら勉強を進められる

一対一なら傍で子供の様子を見守ることが可能なので、教えた時の反応や、問題を解いている時の様子などを見て声を掛けることが可能です。

子供の理解度を確認するのは意外と難しいです。定型発達なら、分からない場合には「先生、分かりません」と言える子供が多いのですが、発達障害だと「分からない」と人に伝えるのが難しい子供も多いです。

もちろん、子供が成長するにつれて自分自身で人に質問できるようにするのも必要ですが、勉強面での課題も多い中で勉強以外の負荷をかけることは子供にとってすごく大変だし、なるべくよけいな負荷を軽減した上で勉強に集中させ、勉強が分かったという達成感を満たしていく方が良いです。

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個別指導塾ってどんな感じなの?

我が家では、個別指導塾での説明を聞き、娘の課題などを伝えた後に体験授業を行い、そのまま入会することにしました。

とはいえ、最初に説明してくれたのが教室長で、実際に授業をしてくれるのは別の講師。最初の面談の際に引き合わされたのですが、その時の印象は

『うーん、合うのかなあ?イマイチなんだけど、どうしよう?』(´・ω・`)

でした。
娘も「よく分からない」と言っていたものの、この時は微妙な時期でもあり、何かチャンスがあればやってみた方が良いだろう、という判断もありました。

というのも、中学1年生では気持ち新たに学区の中学校に通うという話を進めていたのですが、小学校で不登校になった経緯もあるため、またすぐに挫折するのではないか、という不安がありました。もし中学校が駄目になった場合に備えて、塾をフリースクール的に利用するという計画もあったのです。

そして、週1回60分の授業を受けることになったのですが、講師が超真面目な性格らしく、同じく真面目な娘との接点が見つからず。ギクシャクしたまま半年間続けました。

個別指導塾は講師変更が可能

個別指導塾の場合、講師が合わない場合は変更してもらえることが多いです。

でも、このことを知ったのは、講師と娘の関係が全然改善できずに勉強もあまり進まない、と悩み続けて数ヶ月経った時だったんですよね。入会する際にきちんと説明して欲しかったのに、全然知らなかったのです。
(きちんと説明してほしかったのに・・・。)

個別指導が上手くいかないなあ、と悩んで退会目的で教室長に電話した時に、「それじゃあ、講師を変えましょう」という話をされたんですね。「最初の××先生よりも実績が多くあり、いろんな子供に勉強を教えるのが上手な先生がいる」と言われたのです。

でも、後から考えると「ナニソレ?」な話なんですよね。こちらとしては「それなら、もっと早くその先生にして欲しかったのに!」という気持ちになりますよね。

個別指導塾で勉強の成果

講師を変更してもらうと娘の様子も落ち着き、勉強に集中するようになっていきました。教室長の言った通り、最初の講師よりも教え方が上手だったことが大きいです。

小学2年生で覚えるはずの掛け算九九が、中学1年生でようやく理解できるようになりました。声に出すのが苦手なので暗唱はできないものの、一部を除いて答えを言えるようになってきたし、そのまま2桁筆算や割り算、分数まで学ぶようになりました。

また、国語については意外なことに、「中学1~2年生程度の読解の問題集を解けるようになっているので、国語の力は結構ありますね」と言われました。小学校2年生の秋以降は全く勉強していなかったし、私と夫が国語苦手だったので予想外の結果でした。

最初の1年間は非常にスムーズだったので、「これなら英語も勉強できるのではないか」と講師からの提案があり、その後週2日通うことにしました。(週1日は英語を60分、もう1日で国語と数学を30分ずつ、というタイムスケジュールで。)

塾講師との相性は難しい

塾講師との相性は、発達障害特性があると、かなり難しいです。

最初の時点で「前の先生よりも分かりやすいようです」と教室長に言ったことからそのまま一年半続けていったのですが、相性というのは変化するものだということを、この塾での様子を通じて実感させられましたました。(娘の場合、最初が相性良さそうと思っても、後から悪くなることが多い傾向があります。その逆はほとんどありません。)

週2日通いはじめた頃から、その講師が他の生徒の受験指導で忙しくなったのか、また、ウチの娘も不登校気味になり心境の変化があったのか、授業がかみ合わなくなってきたのです。

英語については中学1年生レベルからスタートしましたが、学校ではほとんど学習していないため(支援級だと通常級のような進度で行わず、全学年で単純な単語や会話程度しか勉強しないのです)、先生が一通り説明しても、あまりにも簡潔すぎて定着しないまま次に進んでしまうようになったのです。

でも、英語だけではなく、勉強全般的に積み重ね要素が多いですよね。前の単元をきちんと理解していないと、次の単元に進んでも躓いてしまいます。娘はそもそも声を出すのが苦手だし、書くのも苦手なので、次第に先生が説明するだけの授業になっていきました。

そして、演習問題を少し解くと「理解した」と思い込んで次に進んでしまうため、娘としては取り残されたような気分になっていったようです。国語や数学についても同じような傾向になっていきました。

相性が悪くなった理由をまとめると以下の通りです。

・勉強の難易度が上がるにつれて、もっと丁寧に教えてもらわないと理解できなかった
・先生が忙しすぎて娘の現状を理解してなかった(支援級では中1レベルの授業さえ行っていないのに、「こういう勉強を学校でしていないのですか!」と毎回驚かれていた。)
・最初に相性が良いと思われていたので、そのまま続くと思われていた

ということで、娘が授業を理解していないことを講師に相談したこともありますが、話をしても伝わらなかったため、教室長と話し合いをした上で退会することにしました。

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個別指導塾を退会した理由とタイミング

我が家で最終的に退会を決めた理由は以下の通りです。

(1)講師に対する不満
・講師が娘の理解度や苦手なこと、嫌なことを分かってくれなかった
・話が通じなくなったことから娘が講師を敬遠するようになった

(2)塾に対する不満
・個別指導塾という形態のせいか、責任者と講師の意思の疎通が出来ていなかった
・イヤイヤ通わせると塾だけでなく勉強嫌いに戻ってしまう危険性があった

(3)勉強方法が合わなかった
・娘に合った勉強方法が見つかった

講師に対する不満について

一度講師を変更してもらって上手く勉強が進むようになったので安心していたのですが、人間は変わっていくのですよね。娘の場合、勉強が出来るようになりたいという意欲はあったし、娘なりにゆっくりペースで吸収していきましたが、精神面でも様々な物事を見聞きして成長していくものです。

でも、大人というのは最初の印象が強く固定されてしまうのか、ずっと最初の印象のまま子供扱いする人が多いのかもしれません。(ウチの夫も娘を子供扱いしてしまうため嫌われてます・・・。)

完全個別指導で一対一で向かい合っての勉強は確かに丁寧だし、集団授業よりも分かりやすいかもしれません。でも、目線が上からという感じで娘にとっては「取っ付きにくい」先生であり、教わった内容が「分からない」と言えずに困っていたのです。

そんな状態なのに、授業が終わってから親への報告をする際に「今日の勉強はとても良く出来ていました」と言われても、「自分はよく分からないのになあ」という不満が表れていました。このようなことが度重なると先生に対する信頼が失われてしまいます。

塾退会時の引きとめ~塾に対する不満

教室長に「講師が理解してくれない」という話を相談した際には、過去に私が「1人目の講師よりもすごく合いそうです」と話したことを持ち出して、「だって、あの時に良い講師だって言いましたよね」と言われたんですよね。

『いや、だから、あれは1年以上前のことであり、今は学習内容も難しくなっているし先生の説明だって単元が変われば違うし、娘も成長して考え方が違ってきているのです・・・』
と思ったものの、この気持ちを上手く伝えることが出来ずに相談終了しました。

また、最終的に退会したいという話の時には、
「合わないなら別の講師を引き合わせます」
とも言われて渋々応じましたが、その際に
「高校受験まであと1年間しかないのにどうするんですか?今から他の塾や家庭教師を探すなんて無理でしょう?最低、数学と国語だけはやっておかないと付け焼刃じゃ無理ですし。理科や社会はその場で丸暗記すれば良い科目※ですから、後回しでも良いのですけどね」

なんて言われましたし、その後は、引き合わされた講師についての経歴や得意分野を延々と話したり、塾の過去の実績で不登校児を難関高校に合格させた、等の話が出てきました。

第三者から見れば脅しじゃないのでしょうけど、勉強苦手な子供の親としては、すごいセールストークを聞いているようで、ますます嫌になってしまいました。

※定形発達なら理科社会に興味がなくても丸暗記できるかもしれませんが、興味ないことは一切理解不能に陥る娘には、知識の丸暗記なんて無理なのです。

そして、親が嫌になると娘は敏感に察知します。ますます嫌になったのをお互いの表情で確認できた感じでした。娘は特性上、楽しくないことに労力をかけるのが過度の負担になってしまうため、これはもう限界だという判断になりました。

勉強方法が合わなかった

退会する前から、この塾をやめたらどうしよう、という悩みはありました。
でも、幸か不幸か、このタイミングでコロナによる一斉休校になったので、塾もお休みになり落ち着いて考えることができました。

そして、娘と一緒に家で勉強をしてみると、なぜ先生の話が理解できなかったのか分かってきました。
娘の場合、何事もものすごいスローペースなので頭の回転が超遅いのだと思い込んでいましたが、遅いというよりもあらゆる情報を収集しようとして考えすぎる故に遅くなってしまっていました。そして、もっと単純に考えれば早いし楽なのに、細かいことが気になって勉強がはかどらないのです。

でも、勉強というのは、自分で納得してはじめて身につくものなのですよね。

(小学1年生の時からずっと娘の勉強を見たり教えたりしてきたけど、9年目にしてようやく私自身がこの考えに納得できました。)

だから、些細なことでも疑問が湧いたら、自分でなぜだろうと考えて解決していく必要があります。そして、娘の場合は完璧主義もあり疑問が残っている状態だと理解した気持ちになれません。

ということで、娘が納得するためには、疑問を吸い上げて一緒に解決していくことが何よりも重要なことだったのです。

→娘に合った勉強方法については次回詳しくお話しする予定です。

さいごに

今回の個別指導塾での2年間は色々ありましたが、発達障害児が塾選んで学ぶにあたっては、以下のことを注意して見守る必要があると感じています。

・講師との相性はどうか?
・「できることを増やす」指導になっているか?
・授業の時に、子供が笑顔で学んでいるか?

そして、これが出来ないなら講師に指導方法を変えてもらう必要があるし、指導方法が分からないなら他の講師に即変更してもらうべきです。これは塾通いだけでなく、今後控えている高校選びやその他の習い事にも共通しますね。

発達障害児だけでなく定形発達も同じだとは思いますが、発達障害児の場合は特に、見誤ると心の傷を負う羽目になる可能性もあるので注意して見守るべきでしょう。

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この記事を書いた人
遅咲き星人の母

小学校と中学校で3回不登校した娘がいる主婦です。
現在は通信制高校のサポート校に通学しています。
娘は発達障害(IQ測定不能)のほか、母子分離障害、不安神経症、体幹の弱さ、感覚過敏(主に触覚過敏、嗅覚過敏、聴覚過敏)が酷くて集団活動が超苦手で勉強の遅れもあります。
でも、この数年間は支援者に恵まれ、親子共に少しずつ自己肯定感がアップしてきました。今は、家族とペット(セキセイインコ)が元気で楽しく過ごせる方法を日々考えながら、楽しく生活してます。

(詳しいことを知りたい場合は管理人名をクリックするとプロフィールページに移動します。)

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