発達障害児はプログラミングが苦手でしょうか。
プログラミングは習い事の中でも人気が高い反面、「子供にプログラミングは無駄だ」という意見もあります。また、発達障害児の場合はその特性から、プログラミングは相当ハードルが高いのではないか、という心配もありますよね。
我が家には自閉症スペクトラムの子供がいるのでプログラミングを習うかどうか悩みましたが、小学校6年生からリタリコワンダーで月2回習うようになり3年間経過しました。
今回は、我が家で3年間プログラミングスクールで学んで何を得たのかなどを含めてお話しします。
発達障害はプログラミング苦手?
発達障害児の中でもプログラミングが好きな子供は伸びますが、プログラミングに興味が乏しい場合は苦手意識を感じてしまう傾向があるというのが我が家の3年間で得たことです。
ちなみに、うちの子供の場合は完全に後者のタイプです。じゃあ、「なぜプログラミングなんてやらせようとしたのか」という問題が生じてくるのですが、これは後程お話しします。
発達障害の場合、得意な物事を伸ばす方が良いという話がありますよね。
プログラミングは学校教育に取り入れられているという理由もあり、今すごく人気の高い習い事の1つになっています。
そして、我が家では小学校5年生の時に不登校状態だったのですが、その時にお世話になった人が「学校に行かないならこういうスクールもありますよ」と言って紹介してくれたのがリタリコワンダーのプログラミング教室だったのです。
その当時はプログラミングを学校の授業で行っているという話は知っていたけど、学校に通っていなかったので何をやっているのか全く分からず状態で、それなら習い事として通う方法もあると気づかされたのです。
それに加えて、あわよくば、
「プログラミングが得意になって、将来プログラマーとして就職できればラッキーかも!」
という親の欲目もありました。
ですが、やっぱり親の欲目でしたね・・・。最初は楽しそうにやっていたけど、だんだん複雑な作品を作るようになっていくと頭が混乱してどうしたら良いのか分からず「難しい・・・」と言うようになっていきました。
子供のプログラミングスクール通いは無駄?
そうなると、
『子供のプログラミングスクール通いって無駄なんじゃないか!?』
と思ってしまいますよね。まあ、プログラミングに限らず、どの習い事でも躓く壁なのですが。
しかも、子供のプログラミングの場合、小学生だとビスケット(viscuit)かスクラッチ(Scratch)のどちらかを最初にやる傾向があります。ですが、コレって将来の仕事にはほとんど生かせない内容なんですよね。
ビスケットはビジュアル的に小さい子供でも取り組みやすいし、スクラッチも日本語で表示できるためプログラミングの作り込みが分かりやすいです。でも、大人が仕事で使うプログラミング言語というと現在ではJava、PHP、JavaScript、Pythonなどが主流ですよね。こういう言語とは次元が全く違うのです。
なので、将来の仕事に役に立つ習い事かというと、無駄かもしれません。
ですが、プログラミングが大好きでスクラッチなどをマスターして、もっといろんなプログラミングをマスターしたい・・・という意欲が出たら、将来の展望が違ってくるようです。プログラミングの先生方はもちろんビスケットやスクラッチのようなプログラミングも教えられるけど、その先の言語だって普通に教えることができるので問題ありません。むしろ、子供がそういう言語に対して興味を持って学べるか、という意欲の問題になるのでしょうね。
我が家では実際にプログラミングスクールに通っていますが、本当にプログラミングが好きで将来仕事にしたい、という子供の場合、ネットで検索して必要な情報を吸収したり、本を読んで勉強したりして独学で基礎的なことを習得してしまうすごいタイプも稀にいるようです。
(中には、中学生で既にTwitter等で受注してプログラミング業務をアルバイト等のような形で行い、月収ウン十万円という人もいるようです。)
プログラミングスクール発達障害向けでの3年間の成果
ですが、そういうタイプは本当に一握りですし、平凡な子供でプログラミングにあまり興味がない・・・というような場合には無駄なのでしょうか。
これは子供自身やお母さんがどのように感じるか、という主観的な感情に左右されますが、我が家の場合には得るものは色々あったと感じています。無駄とか、やって意味がなかった、とは感じません。
我が家の場合の目標設定は恐らく世間一般レベルに比べると低いかもしれませんが、以下のような内容が中心でした。
このように、一般家庭の発想だと「プログラミング言語をマスターする」というのが目標設定の1つになるのかもしれませんが、我が家の場合は前提条件が、
・不登校の原因が学校や先生、クラスメイトへの不信感(人間不信)
・母子分離ができない状態
という状態だったので、プログラミングを学ぶ以前の土台を作る必要があったのです。ですので、授業を通じて人間としての成長を促すことの方が重要問題になっていました。
とはいえ、それを知らない第三者から見ると、
「プログラミングスクールに通っているのだから、さぞかしプログラミングで複雑な作品が作れるのでしょうね~」
となるし、こういう目標設定を理解しつつも暫くすると私自身がすっかり忘れて、
「うちの子供ってプログラミングの才能ないよねえ。お金かけてるのに・・・」
と落ち込むこともあります。
でも、本当は違うんですよね。(こうやって自分で文章を書いて改めて、自分の思い違いを認識するというダメ親ですorz)
目標設定に対してその日の行動が達成できていたか、という振り返りこそ必要なのです。
そして、そういう点では3年間通ってきて、ずいぶん成長しているなあと感じています。
先生方に話しかけたり、困っていることを伝えたり、ということは本人なりに少しずつ出来るようになってきたし、プログラミングは全て自分一人で作り込むのは難しいけど、先生と一緒に相談しながらスモールステップで少しずつ自分から取り組めるようになってきたし。
現在はスクラッチで1つの作品を数回かけて作り込んでいるのですが、やっぱり一人で作り込むのが難しいので先生に骨組みを教えてもらい、コツコツ一人で作業をしている、という授業風景を隣の部屋から眺めるようになりました。
(最初は私が隣にいて、先生と子供の通訳のようなことをやっていたのが、徐々に離れられるようになり、作業をしている時の不安な表情がなくなり、一部屋離れることに成功した段階です。)
今後の授業の展望
では、今後どうしていくか、というところで少し前に先生方と相談したのですが、
という方向にシフトすることしました。
発達障害児は「興味あることなら理解できるし、取り組める」という長所がある反面、逆は超苦手で大きな壁となってしまうことが多いです。
定型発達の子供の場合は苦手なことでも努力できるけど、発達障害児の場合は苦手なことを努力するのがものすごく難しいのです。(発達障害児によってその難易度が異なりますが、うちの子供の場合には難易度がとてつもなく高いです。)
ですので、プログラミングを専門的に学ぶというよりも、本人の趣味に合うプログラミング作品を考えて作り、完成作品をブログなどにアップして人に楽しんでもらう、ということを行いつつ、意欲を引き出すことを計画しています。
まとめ
発達障害の場合、プログラミングが得意か不得意かはその子供の特性にもよるので一概に言えません。
では、プログラミングスクールに通わせるのは意味ないか、というと、やり方次第でしょうし、目標設定をどこに置くかというのがポイントでしょう。
我が家の場合には論理的思考や数学が苦手なので、プログラミングをやらせてもあまり興味を持たずに苦手意識が出るようになっているので、こういうのを第三者が見ると「意味がないんじゃないか。お金の無駄でしょ。」と言うかもしれません。
ですが、我が家の場合には、プログラミングそのものが得意になって欲しいというよりも、人間不信に陥っていた状態からの脱却というのが第一にあり、そのツールとしてのプログラミングスクール通いだったため、その点ではすごく役に立ちました。
高いお金を払ってプログラミングスクールに通わせる場合、親としては見合ったリターンを期待しがちで、将来の仕事に繋がればいいなという欲が出てくるかもしれませんが、子供の習い事なので、そこに直結させるのはとても危険です。
その前にすべき人間としての成長がありますし、最初によく先生方と相談していく方が良いでしょう。
まだプログラミング教室における課題もありますし、今後教室での経過などを書いていければ、と考えています。
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