療育は基本的に幼稚園卒園と同時に終了となります。ですので、

子供が小学生になったら療育が受けられない!
どうすれば良いの!?
と悩んでしまいますよね。
我が家でも、娘が小学生になって療育を受けられなくなりました。
でも、娘の様々な問題は毎日のように勃発していました。
そして、その悩みをどう解決すべきか分からないし、どこに相談すれば良いのか分からず困ってしまいました。
今回は、小学生の療育について我が家でどのようにしたか等をお話しします。
療育を小学生で受けられる場所は?
療育は多くの場合、地域の療育センターで行いますが、幼稚園卒園後は受けられなくなってしまいます。ですが、我が家では色々探した結果、以下の3ヶ所で受けていました。
(2)個人で活動している作業療法士(ビジョントレーニング系に強い)・・・数回
(3)個人で活動している作業療法士(感覚統合療法に強い)・・・約3年間
なお、この3ヶ所は同時ではありません。偶然見つけたタイミングでそれぞれお世話になったので、1ヶ所だけの時期や、重なっている時期があります。
現在は、放課後デイサービスの施設によっては療育を行うところもあるようです。
(娘が小さかった10年前はまだ放課後デイサービスがスタートしたばかりだったので数も少なく、残念ながら、我が家の近くにはありませんでした。)
小学生になってからも療育を受けようと考えた理由
小学生になってからも療育を受けたいと考えた理由は、小学校の支援級だけだと心身の成長を促すことができないと感じたからです。
小学校に上がると療育に代わるものが支援級だと言われていますよね。でも、支援級では、
・クラス集団の中で過ごせるようになること
この2つが目標の中心でした。(他の小学校は分かりませんが、2校通った小学校ではそのような目標設定でした。)
確かにそういう要素も必要なのですが、娘の場合は
・心も他の子供と何かが違う(感覚過敏で常に緊張していた、と後で発覚)
こんな問題があったので、小学校の支援だけでは足りないと感じていました。
そして、療育を受ければ何とかなるのではないか、という思い込みもあり、必死に療育探しをしたのです。
療育を受けたリハビリ系の病院について
リハビリ系の病院で小学生が療育を受けるのは珍しいことかもしれません。
実際、その病院には2週間に1回の割合で通っていましたが、周囲を見ると、高齢のおじいちゃん、おばあちゃんばかりでした。幼稚園児や小学生はほとんどいませんでした。
というのも、その病院の医師は精神科医でないため発達障害系の診断ができないからです。言語療法士や作業療法士がいるので小さい子供の言葉のトレーニングや体のトレーニングは可能なのですけどね。
ただ、その医師は発達障害の知識があるのである程度のことは分かるらしく、「精神科医でないので診断はできませんが」と断りを入れた上で、「それでも良ければ療育的な通院は可能ですよ」と言ってくれたので暫くの間トレーニングに通うことになったのです。
ちなみに、普通の保険適用の病院だったので、普通の病院に通う感覚での料金でした(さほど料金はかかりませんでした)。
そして、プログラムは言語聴覚士と作業療法士、それぞれ学校で困っていること、母から見て心身面での困り事がないか等を聞いてくれ、それに沿って考えて、娘が楽しんでできる作業を中心に行っていました。
ただ、両方とも偶然なのか、その担当者はすごく良かったのですが、
・2年程度で療育担当者が退職したら、後任に娘が馴染めない
という問題が勃発してしまいました。
そして、この頃から気付き始めたのですが、娘には合う人と合わない人がハッキリ分かれて存在するのです。
そして、相性の良い人なら問題ないけど、相性が良くない人の場合には全然コミュニケーションが成り立たないということも分かってきました。
そして、療育に通った間はコミュニケーション能力等が向上していたと思っていたのですが、担当者が変わるとゼロ状態だと判明。実は、何も向上していなかったのです(泣)
結局、後任の担当者に馴染めず、その病院での療育は終了することにしました。
ビジョントレーニング系の作業療法士
なぜ個人の作業療法士にお世話になったかというと、最初に療育センターでお世話になった作業療法士が退職して個人で活動していたのを偶然ネット検索で見つけたからでした。
特に継続してお世話になるかは考えておらず、数年ぶりに娘の成長度合を確認してもらったり、今後の方向性などをアドバイスしてもらえたら・・・という気持ちがきっかけでした。
指導してもらった内容は、算数の躓いている箇所や、学校での書字、読字などが遅いなどの問題に対処できるように、というトレーニングがメインでした。
数回程度指導してもらったのですが、長く続けなかった理由は、スパルタ傾向のある先生だったからです(>_<)
子供って、小さい頃は多少スパルタでも「そういうものだ」という思いもあり、受け入れる傾向があるようです。
でも、大きくなればなるほど自我がハッキリしてきます。そうなると、娘の苦手で嫌いな勉強などをやるように指示されても、やりたくない気持ちの方が強く出てしまい、やらせるのが難しくなってくるのです。
ただ、その先生は「嫌がらせないよう上手に退路を断ちつつやらせようとする」タイプの先生でした(ある意味、上手い先生でした)。なので、

言われたから頑張ったけど、なんか気持ちがスッキリしないよ~
毎回こんな調子でした。
その様子を見ていて、これで娘が苦手を克服できるとは感じられなかったので、スパッとやめようという結論になりました。
(ちなみに、費用は1時間5000円だったと思います。)
感覚統合系の作業療法士
感覚統合という言葉は、この作業療法士の著書を読んで知りました。そして、速攻、娘には必要だと感じて、自宅から2時間半かかるのをめげずに予約を取り、作業療法を受けることにしました。
(こちらも、あの当時で1時間5000円だったと思います。うろ覚えですみません。)
この療育では感覚統合系のトレーニングの指導を受けたのですが、その場でやることよりも、課題を出されてそれを自宅でトレーニングして改善していくことが中心でした。
最初に娘の状況などについてレクチャーを受けたのですが、娘の場合にはあまりにも課題が大きくて、家で課題をトレーニングしつつ、

これで娘の状態が改善できているのかしら?
と悶々とすることが多かったです。
親の目からすると、
相変わらず人と話せないし、
勉強もやる気にならないし・・・
と、項目別に見ると何一つ成長できていない状態だったのです。
でも、娘の成長は、どちらかというと、
=先生と打ち解けて話せるようになった、説明もできるようになった。
近況報告方法・・・毎回先生宛に長文の手紙を書いていた。
=社会性の向上、言語性の発達。
ということで、学力向上とは直結していない部分での成長なので、とても見えにくいものだったのですよね。
(前の小学校で勉強嫌いになって鉛筆を持つのさえ嫌だった時期でしたが、この先生に対して毎回A4コピー用紙にギッシリと1~2枚埋まるくらいの文字を書いていました。)
なので、その先生には褒められまくっていました。すごい成長している、と。
ただ、この先生の作業療法も、先生が忙しくなったことや、療育会場が使えなくなった等の理由により約3年で終了することになりました。
この先生には約3年学ばせてもらい、有益なことも多かったですが、娘が成長するにつれて、娘の心身の問題よりも、家庭の問題への対応が必要、という課題が大きくなっていきました。
この「家庭の問題」は、娘と夫の関係が中心です。
娘が成長するにつれて、夫の男性臭を嫌がるようになり、また、夫が娘のことを理解してくれずに嫌われてぶつかってしまう問題が生じてきたのです。それに対してどう対処するかなど、肝心の作業療法よりも、そういう視点で物を考えていく必要があるのかな・・・「療育」でなく、もっと別の要素が我が家には必要なのだろうか、と考えた矢先の終了だったのです。
さいごに
療育を小学生で受ける場所はなかなか無いので、もし受けたいと思ったら探すのが大変かもしれません。ただ、放課後デイサービスなどで行う施設もあるようなので、必要に応じて探してみるのも良いでしょう。
ただ、何のために療育が必要かを事前に考えておくことが大切です。
我が家のように、「幼稚園でやってたのが突然打ち切られて不安」「小学校だけだと不安」という気持ちだけだと、せっかくお金をかけて通わせても「ウチの子はちゃんと成長しているのだろうか」と疑うことになるかもしれません。
また、子供自身も自我が芽生えてくるので幼稚園時代のように親の言うことを受け入れなくなり、「通いたくない」と言い出す可能性もあります。
最終的に我が家では、療育よりも目の前の困難を解決する方が重要課題になり、療育を終えました。これは家庭や子供の成長にもよるでしょうけど、年齢が上がるにつれて、家庭での関わり方や学校、社会での関わり方の問題が大きくなるのでしょう。
もしかしたら、療育が幼稚園で終了、その後は小学校の支援級に委ねられるというのはある意味正しいことなのかもしれません。(6歳時点で療育の目的が達成されるのが標準的な成長モデルなのかもしれません。)
我が家の場合は娘の心身の成長が追いつけなかったので、小学生になっても数年間療育を続けましたが、子供の困り事はその子によって全く異なります。子供をよく見て本当に必要な療育なり支援をしていきたいものです。
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