
学校への行き渋りが酷いのだけど、子供のことを誰かに相談できないかしら?
このような場合、相談相手の1つにスクールカウンセラーが思い浮かびますよね。
でも、学校所属のカウンセラーだから相談しても意味ないのでしょうか。
ウチの娘は不登校等の原因もあり3校の小学校に通ったため、様々なカウンセラーとの出会いがありました。
今回は、スクールカウンセラーに悩みを相談した時にどんな対応をされたのか等、我が家で経験した複数のケースをご紹介します。
スクールカウンセラーは意味ないの?
スクールカウンセラーは文字通り、「学校にいるカウンセラー」ということで、生徒のメンタル面をケアサポートしてくれるスタッフです。具体的には、臨床心理士や精神科医や、臨床心理の専門家のいずれかに該当する人がスクールカウンセラーになることができます。
公立校では1995年から導入されはじめて、今ではかなり普及してきていますが、常に学校にいる訳ではなく、週1回などのペースで複数の学校を巡回担当しているカウンセラーが多いようです。これは、自治体の予算の関係なんでしょうね。
ということで、カウンセラーに相談したとしても来校するのが週1回のペースだし、1人の生徒や保護者に対して継続的にサポートしてくれる存在とは言えないので、正直言って、過度な期待はしない方が無難でしょう。
スクールカウンセラーと小学校との関係
「スクールカウンセラーは相談しても意味がない」と感じたケースについて細かくお話しすると、カウンセラーは教育委員会から派遣されているという形式が多いようですが、その学校の先生方との連携というのが乏しいことが理由の1つです。
誰に会ってどんな話をしたか、というのは学校に事務的に報告されるのかもしれません。ですが、非常勤で週1回しか学校に行かないようなカウンセラーだと、子供や親の悩みを聞いて、それを先生に伝えて改善していく、というようなことまで踏み込んでケアしてくれる訳ではないのですよね。
また、学校側としても、スクールカウンセラーが学校に来る日については、学校連絡のプリント等で周知されるのですが、ただそれだけです。
子供や親が学校生活について悩んでいても、「カウンセラーに相談してみたらどうか」等と言われたことは一部の学校を除いてありませんでした。(まあ、そこまで踏み込んでくれる先生方がいないのかもしれないのですが。)
この数年は、不登校や引きこもり、自殺等が注目されるようになったため、心の悩み相談的なリーフレットが教育委員会から配布されています(「何か悩んだ場合はスクールカウンセラーに相談する方法もありますよ」)。ですが、学校の先生方とカウンセラーというのは配属が違うので上手に相互利用していくという形ではないのですね。
スクールカウンセラーに相談した我が家の場合
我が家では3つの小学校で相談したところ、以下のような結果になりました。
- 1校目・・・週1回の非常勤カウンセラー。すごく親身になってアドバイスをくれたけど、1回の相談で終了。
- 2校目・・・週1回の非常勤カウンセラー。不登校後にその次の方向性を決めた後のカウンセリングだったため、親身に話を聞いてくれたけど、1回で終了。
- 3校目・・・3人のスクールカウンセラーが週1回ずつ非常勤勤務のため、週3日カウンセラーが学校にいる状況。3人とも月に2回程度は1時間カウンセリング時間を作ってくれ、給食を一緒に食べることもあった。学校の先生方とも話した内容を情報共有してくれ、これが次回へのステップとなり様々な変化があった。
では次に、3つの小学校で出会ったスクールカウンセラーとの話の内容や対応についてお話しします。
スクールカウンセラーの小学校による違い
実は、私は学校で受けられるサービス等について不勉強で、子供のことで何か悩んだ場合にスクールカウンセラーに相談できることを知らずに悶々と悩んでいました。
まあ、これは、支援級なので何か子供のことで問題があったら「毎日の連絡帳で担任に相談するのが当然」という思い込みがあったのも原因ではあります。(支援級の場合、こういうお母さんは多いのではないでしょうか。)
1校目の小学校
そんな状況下だったので、1校目の小学校で子供の悩みをスクールカウンセラーに相談したのは2年生の秋くらいのことです。
スクールカウンセラーに相談できる、というのを知ったのは、その当時お世話になっていた作業療法士で、「そういうことはスクールカウンセラーに相談する方法もあるよ」と教えてくれたことがきっかけでした。
で、その時の悩みとしては、勉強がついていけないことや、挨拶ができないこと等をどう考えていけば良いのか、いう問題を挙げました。
結論としては、
- 勉強がついていけないこと
→「学校の先生が教え方下手過ぎるので、不登校してお母さんが教えた方が良いと思う。」 - 挨拶ができないこと
→「無理矢理やらせようとしても、そもそも娘さんは挨拶の意味が分かっていないと思う。そういうお子さんっていますよ、なので、理解するまで待つ方がいいです。」
と、ズバズバ言われました。
一番驚いたのが、「不登校してお母さんが教えた方が~」ですね。
この時にスクールカウンセラーに言われたのですが、カウンセラーによっては学校の立場で物を考えてアドバイスする人もいるようです、とのこと。
でも、このカウンセラーは非常勤ということもあり、比較的自由に発言するタイプだったようで、「私は子供にとって一番良い方法をアドバイスしたい」と言われたのです。
で、この時には、娘が国語の文章読解できずに困っていたため、家で理解しやすい説明絵を描いたり、道具作りで話を楽しめるようにしたことを報告して、もっと良い方法がないかと質問したのですが。
カウンセラーには、「学校の先生は決まった教え方しか出来ないし、娘さんのような認知の場合には入っていかないはず。お母さんがここまでやれるのであれば、お母さんが教えた方が娘さんにとってはストレスが少ないはずですよ。」と言われたのです。
それを聞いた時にはまだ不登校を考えていない時期だったので、
「いやいや、それは大げさすぎるわ~」と感じたのですが、その2ヶ月後には先生との関係が悪化して不登校になったので、このカウンセラーの言う通りだったなあと感じました。
とはいえ、2回目のカウンセリングを受けるかどうか、と考えた時期は既に不登校突入しており、カウンセラーも「不登校の方が良い」と断定してくれていたこともあり、相談する内容が見当たらなかったので、カウンセラーへの相談は1回だけで終了しました。
(不登校になった時点で、我が家が相談したかったのは、学校に変わる居場所をどうするか、という問題だったので、カウンセラーに相談しても意味がないかと考えたし、カウンセラーに相談するためには学校を通さなければならず、その当時学校との関係が悪化していたことからアポを取りづらかったこともあります。)
2校目の小学校
2校目の小学校でも、やはり、「何か子供のことで相談するなら支援級の担任へ」という方向が出来上がっていたため、スクールカウンセラーへの相談というのはしませんでした。(そもそも、スクールカウンセラーがどんな人で、いつ来るかというのが分からなかったので。)
そして、2年強で不登校になり、フリースクールを検討していた頃になり、ようやく校長先生から「一度スクールカウンセラーに会ってみますか?」と繋いでもらったのがきっかけで、1回だけカウンセリングを受けることになりました。
★これは、校長室登校をしていたことがきっかけです。この話について興味がある場合は以下の記事をご覧ください。
→不登校で保健室登校が駄目だった理由。対応してくれた小学校との違い。
ただ、実際にカウンセラーに相談する機会を得たのは暫く経ってからでした。その頃にはフリースクールに通うことを決めた後だったので、相談というよりも経過と報告などを話した程度で終わりました。
カウンセラーも、優しい方だったので一緒に面談した娘も安心してお話できたのが良かったのですが、ただそれだけ、という感じでした。
ただ、この小学校でも、様々な苦手特性から居場所がなくなってしまったという苦い思い出ばかりだったため、娘にとってはこの小学校の最後の思い出として、優しいカウンセラーと楽しく話ができたのは良かったのかもしれません。
3校目の小学校
3校目の小学校は、学校そのものの考え方が1,2校目と全然異なり、不登校などの生徒に対してすごく丁寧な対応をしてくれていました。
カウンセラーにもこの考え方が反映されていたようで、カウンセラーと他の教員との連携が非常に密な印象を受けました。3名のカウンセラーが週1日ずつ勤務なので、週3日はスクールカウンセラーが学校にいるのです。そして、実際にカウンセリングルームにいない場合は職員室にいて先生方と親しく話したり、教室を巡回して生徒の様子を確認していたようです。
また、カウンセラー3名は日替わりなので相互連携図るのは難しいと思っていたけど、どの先生方も娘の特性などをきちんと理解してくれたし、当時困っていたことや悩みについても不思議と把握してくれていました。また、カウンセラー面談で些細な困りごとをポロッと話すと先生方に伝えてくれ、学校で対処できることを考えて実行してくれたのがとても印象に残ってます。
この小学校では、1つ悩みを話すと、それがカウンセラーから先生方に伝わって対処してくれたり、その逆で、先生方からカウンセラーへ繋いで対応してくれることもありました。過去の小学校では、困りごとを伝えてもそこで「大変ですねえ」という一言で終わっていたのですが、この小学校に転校してからは、母親が一人で苦労を背負い込むのでなく、先生方が娘の状況の中でその時点で最大限できることを考えて、娘本人に対して様々な働きかけをしてくれたのが非常に有難いと感じました。
スクールカウンセラーに悩みを解決してもらえるのか
スクールカウンセラーへの相談では、親からの相談と、子供からの相談、どちらのケースも考えられますが、3校目の体制がすごく良かったのは、カウンセラーや先生方が子供本人と関わることで解決しようとしてくれるということです。
親が子供のことで悩むと、学校の先生方やスクールカウンセラーなどに相談すると思いますが、その場だけの相談に終わるのは、当事者である子供が置き去りになってしまうからなんですよね。1校目や2校目で1回限りの相談で終わってしまったのは、カウンセラーが子供に深く介入してくれなかったからです。(カウンセラーに原因があるわけではなく、どちらかというと学校と連携を取れないという、自治体の体制によるのかもしれません。)
カウンセラーの資質だけで考えれば、今まで相談した方々は多数の子供をケアしてきた方々でしょうし、学校の先生方よりも深い考え方ができているのではないか、とは感じました。ですが、継続して関わってくれる存在かということが、子供にとって非常に大きい影響力を与えると思うのです。
ですので、カウンセラーに相談する場合は、学校との関わりがどの程度なのか、子供自身をみてくれるかどうかなどを確かめてみる方が良いです。
さいごに
子供のことで悩んだ場合にスクールカウンセラーを頼れるか、というと、学校の体制やスクールカウンセラーによって様々な違いがあり、どちらとも言えません。我が家の場合、出会った方々全て、知識も経験も豊富そうなカウンセラーでしたが、「話は聞いてくれるけど、そこで終了」「話を聞いてアドバイスをくれたけど、そこで終了」という展開もありました。
ですが、カウンセラーと学校の連携がしっかりしている場合にはものすごくカウンセリングが活きてくるので、とてもおすすめです。
3校目のカウンセリングがとても良かったのは、カウンセラーの質だけではなく、学校の先生方がカウンセラーと様々なことを相談して子供に対して様々な働きかけをしてくれたからであり、娘が不登校を脱することができたのも、その温かい関わりのおかげだと感じてます。
スクールカウンセラーが子供目線で関わってくれると、子供が変わってくる可能性もあるので、困ったことがあったら一度相談してみては如何でしょうか。
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