支援級の英語の授業って、ビックリするくらい簡単です。
同じ中学でも、通常級とは全く異なるのです。
それに加えて、支援級に在籍していると「勉強の知識を身につけるべき」という認識がありません。

だって、先生に「覚えなさい」って言われてないよ~?

まあ、確かに先生は言ってないけどね・・・。
そのため、英語の第一歩であるアルファベットさえ覚えられない可能性もあるんです。
支援級の英語の授業はどんな内容?
中学校によって異なりますが、基本的に支援級では「就労へ向けた生活指導」が中心なので勉強はほとんど行いません。英語の授業も同様です。
娘の通った中学校では、英語の授業は週1回だけしかありませんでした。また、1年生から3年生までの3年間で以下の内容しか学習していません。
・身近な英単語に気づく
・英語の歌に親しむ
・英語の絵本に親しむ
・簡単な英会話を楽しむ
・英語によるゲームを楽しむ
ということで、1年生の最初に行われたアルファベット指導でも、先生は生徒に対して「覚えなさい」とは言わずに1学期を終え、夏休みの宿題で練習し、「夏休み中に覚えておこうね」という扱いでした。
また、「身近な英単語に親しむ」授業では、学校や最寄りの駅等にどんな和製英語があるのか考え、「身近で沢山の英語が使われていること」を知るという内容でした。英語に慣れるための題材だったのですね。
それを見学した私は、

1学期はずっと導入的な授業だったけど、
2学期になったら本格的な英語の授業になるのかしら?
・・・と思ったのですが、2学期以降も相変わらず身近な英単語やゲームなどを楽しくやっていく、という形で進んでいきました。

じゃあ、2年生になったら3年生と合同授業だから
もっと難しい内容なのね?
・・・と思っていたのですが、実際に2年生になっても特に難しい授業にはなりませんでした。1年生の内容と同様でゲームをしたり、歌を歌ったり、絵本を先生が読んだリする・・・という形式だったのです。
そして、秋になっても英文法や単語を学ばない・・・。

入学して1年半経ったけど、英語の勉強ってコレで良いの?
私は娘の付き添い登校していた関係で授業は全て見学していたため、この授業内容にものすごく衝撃を受けてしまいました。
確かに支援級の生徒は勉強が苦手です。国語や数学は小学校からの延長科目だから苦手でも仕方ないとは思います。そして、簡単な内容しかやらないのも仕方ないのだろうと思います。
でも、英語の場合は中学1年生がスタートなんですよね。(正確には、今は小学校から授業がありますが、それでも中学1年生からやってもある程度はできるはず。)
それなのに、できないことを前提に「英語を使った遊び」だけで終わらせていいのだろうか、という疑問も芽生えました。
アルファベットさえ覚えられない娘がどう変化したか
といっても、ウチの娘は授業でアルファベットさえ覚えられませんでしたΣ(゚д゚lll)
そもそも、支援級にいると「勉強できないことが前提」「勉強しないことが前提」なんですよね。
だから、生徒自身もさほど勉強が身につかなくても気にしない様子なんです。
そして、最初は先生も覚えることを目標に授業をしていないので、生徒が覚えていなくても全く気にしません。
実際、娘に限らず、アルファベットを覚えるのに苦労している生徒も何人かいました。
(もちろん、すぐに覚えてしまった生徒もいました。)
でも、娘の場合は、英語の授業に対して色々気に入らないことがあったようで、やる気がありませんでした。
英語の授業でやる気が出なかった理由
気に入らないこと、やる気が出ない理由は沢山あったのですが、主なものを挙げると、
・配布プリントが見づらい(粗い印刷機でなくテキストを使えばいいのに!)
・文字を書くのが遅すぎる(→先生が待ってくれないので次の指示が分からない)
・声を出すのが苦手(→皆と一緒に英語の発音をしたくない)
・人前で発表するのが苦手(→先生は順番に当てるので、自分の番が怖い)
このように、先生の指導方法の問題点(前半2点)もあるけど、娘の特性から生じている問題(後半の赤字3点)が大きかったです。
先生が待ってくれないことについては、娘は処理能力が非常に遅いので仕方ないのです。先生も授業の進行上待てないことも多いし、娘だけ課題が残ったまま終わることが多かったです。

残った部分は気にしなくていいわよ。
と言われたけど、その積み重ねでアルファベットが覚えられなかった可能性もあるし、もう少し先生の対応方法を改善してもらっても良かったのではないか、とも感じています。
支援級の英語の授業の欠点
学校によってやり方も違うでしょうけど、娘のいた中学では、支援級の先生が複数の教科を教える都合上、英語が特に得意ではない様子の先生が教えていました。
そのせいか、「英語の授業でその日に何を学ぶのか」がさっぱり分からなかったんですよね・・・。
その先生は確かに、その日に何の授業を行うか、項目別に3~4つの内容を前振りして分かりやすくするよう心掛けていたようですが、肝心の中身がさっぱり分かりにくかったのです。
というか、支援級は全て「楽しんで勉強しよう」という方向性なので、通常級での「今日はこれを理解しよう、覚えよう」というねらいとは次元が異なるんですよね。
確かに、「楽しんで勉強すれば理解できる」という考えもあります。
でも、娘のように特性で様々なことが気になってしまう場合、授業を楽しめないのです。つまらないから授業が頭に入っていかないし、その結果、理解なんて無理なんです。
この悪循環に気づいたとき、途方に暮れました。

数学は苦手教科だから学校での勉強を諦めていたけど、
英語まで無理なの!?
そこで、当時通っていた個別指導塾に相談し、週1回コマ数を増やしてもらい、英語を勉強していくことにしました。
個別指導塾の英語を期待したのに・・・
すると、1対1の個別授業が良かったのか、中学1年生の英語を順調に進めていくことができたのです。
アルファベットはLMN・・・以降の順序が曖昧でしたが、それは気にせず文法や英単語に触れることで英語学習を進めることができたのです。
その先生には、

順調に進んでます、娘さんは英語得意になりますよ!
と褒めて伸ばしてもらっていました。・・・と思っていたのですが、実際にはそうではなかったようです。というのも、英語を教わり始めて3ヶ月程度経ってから、

英語って全然分からないんだよね・・・。
と娘に相談されるようになっていったのです。
そこで、授業の様子を隣の部屋でうかがっていると、分かってきたことがありました。
(基本的に個別指導塾でも娘の付き添いがあるので、隣の部屋でいつも待機しているのです。)
娘は声を出して読むのが苦手なので、先生が発音するのを聞くだけなのです。また、手で文字を書くのも疲れてしまうため、省略することが多くなります。そうなると、知識が定着するのに時間がかかるのです。
しかも、それは駄目だわ~、と思ったのが次のことでした。
先生は娘が「うん」とうなずくのを見て、すぐに理解したと思い込んでしまうのですね。でも、娘はよく分からないので黙ったまま。面倒臭いのでうなずいてしまっていたのです。
コミュニケーションが取れていないというのは大問題だと気づいたので、娘に言ったのです。

面倒臭いと思っても、分からないときに「うん」と首を縦に振ってしまうと分かったと思われてしまうよ。
「分からないのでもう一度説明してください」って言おうよ。
でも、

えっ、そんなこと言えない!
お母さんから先生に言って!
と言うので、私から先生に言いました。でも、先生の反応が意外なことに、

娘さん、理解してますよ~。大丈夫ですよ~。
こんな感じだったんですよね。娘の言うことと違うのです。そこで授業内容の具体例を出して話したのですが、なかなか話が通じない状況が続きました(´;ω;`)
どうやら、先生の感触と娘の理解度がかけ離れていたんですよね。最初のうちは、先生に娘の気持ちを伝えるよう努力したのですが、終始こんな調子で話が通じにくいし、娘も勉強が分かった気持ちになれないため、塾をやめることにしました。
★この個別指導塾での詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
→発達障害児は個別指導塾なら成績が伸びる?娘が通って気付いたこと
ちなみに、この当時はアルファベットはだいたい書けるようになっていましたが、以下の3つが曖昧なままでした。
・LMN、XYZの順序が覚えられない
・bdが似ているので迷う
また、「中学1年生の範囲はほぼ終えた」と塾で言われていましたが、簡単な問題集に出てくる内容しかやらなかったせいか、中学1年生の単語をほとんど覚えてないし、be動詞と一般動詞の違いが分かってない等、文法も理解出来ていませんでした。
中学生英語落ちこぼれ娘の転機
その後、中学1年生レベルでも落ちこぼれていた娘が最終的に英語を理解できるようになったのは、以下の2つの手段を組み合わせた結果でした。
(2)すららによる穴埋め
(1)の個別指導については、上でお話しした個別指導塾ではなく、別の個別指導です。実は、不登校になった頃、通信制高校の一部には中等部があることを知り、そちらで試しに勉強してみよう、ということになっていたのです。
やめた個別指導塾の先生との相性問題もあったので、「娘に合う先生がいたらラッキー」程度に考えて申し込んでいました。
すると、ラッキーなことに、娘の気持ちを理解しようときめ細やかな対応をしてくれる先生が指導に当たってくれることになりました。また、娘も抵抗なくその先生と話せるようになり、受け身だった勉強が少しずつ能動的に取り組めるようになったのです。
とはいえ、数年間分の遅れがある中で週1回1時間の授業だけでは足りません。英語よりも数学が中心になってしまい、英語を進めていくには時間が足りなすぎました。
(お金と時間をかければ週あたりのコマ数を増やすこともできますが・・・。)
宿題は少し出ることもあるけど、娘の負担も考えて少なめです。だから、定着するための絶対量が足りないのです。
この絶対量を補うのにちょうど良かったのが(2)の「すらら」でした。
個別指導で習ったことを、すららを使って復習しながら定着させていくのです。

前の個別指導塾で全然理解できない、という劣等感について、

英語はもう一度やり直せば大丈夫だよ!
と言って娘の気持ちを切り替えさせ、新たな気持ちで中等部での個別指導、すららの勉強を進めていったところ、以前は嫌がっていたローマ字入力が出来るようになり、アルファベットもしっかり覚えたし、英語の文法や単語等も少しずつ身についていきました。ここまでのことは期待してなかったので、娘の成長ぶりにビックリしたものです。
★すららに関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
→すららが発達障害に評判良いと聞いて無料体験した娘の劇的変化に唖然
さいごに
ローマ字入力ができない、アルファベットも覚えられない、という子供でも教え方次第なんですよね。
また、英語は音読や暗記がもちろん大切ですが、それが苦手な子供でも、やり方次第でなんとかなる可能性があります。もちろん、ネイティブスピーカーになるには音読やリスニング、暗記等も必要でしょうけど、中学英語の基礎だけであれば、ある程度はいけるはずです。
我が家の場合は娘に相性の良い個別指導の先生に出会えたこともありますが、どちらかというと、「すらら」でじっくり定着できたことが大きな要因でした。
娘のように、「音読が苦手、何度も書くのが苦手、暗記が苦手」等の特性がある場合には学校の授業についていけないかもしれません。でも、「すらら」だと定着しやすいし、子供の達成感を得ることができますよ。気になる場合は一度試してみては如何でしょうか。
★すららの公式ページはこちらです。
→対話型アニメーション教材【すらら】

コメント