発達障害で中学受験は可能?不登校の子供が挑戦して得たことは?

中学受験 学校・進路

発達障害でも中学受験は可能でしょうか。

ウチの娘の場合、発達障害だけでなく不登校ということもあり、進路について非常に悩みましたが受験することにしました。

そして、結果は残念ながら不合格。
でも、受験を通じて得たことも沢山ありました。

そこで今回は、

・娘が中学受験した経緯
・試験勉強
・受験当日の様子
・結果を受けて感じたこと

以上についてまとめました。

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発達障害で中学受験は可能?グレーゾーンの場合は?

発達障害で中学受験を考える人の話を聞くと、それぞれ子供の事情によって様々ですが、比較的次の2パターンが多いようです。

・勉強面は通常級でも問題ないけど、環境面で子供の特性に合う私立学校等を希望する場合
・公立中の通常級で支援なしだと厳しいけど、支援級だと高校進学が難しいので躊躇する場合

発達障害がある場合、小学校ではなんとかなっても、中学校になると支援を受けずに通常級というのはかなり厳しいので、環境が合う学校があれば費用がかかっても受験させたいと考える傾向があるのですよね。ただ、どちらの場合も子供にピッタリ合う中学校を探すのは非常に難しいです。

我が家の場合、発達障害でWISC等のテストは拒否するし、実際のIQも低いです。なので、小学校6年生の夏に受けた就学相談の判定は、支援級(知的障害)という結果でした。

ですが、この地域の場合、支援級でも「情緒障害学級」でないと通常級と同じ授業を受けられません。「知的障害学級」の場合は授業内容が通常級と全く異なるし内申点も付かないため、普通高校への進学がほぼ閉ざされてしまいます。しかも、娘の場合、一度中学校の支援級(知的障害)を見学した際に、「この教室に入るは嫌」と拒んでしまったこともあり、やはり支援級は難しいのだな、と感じました。

★小学校の支援級は2校経験しましたが、クラスの環境に馴染めず2校とも不登校になってしまいました。
この詳しい話については以下の記事をご覧ください。
支援級の後悔。小学校で味わった、皆と同じことができない苦しみとは
支援級が合わないので転校したけど再び後悔。2校目で学んだことは?

ですので、判定の出た支援級に通えないなら別の進路を考えなければならず。
そこで考えたのが、中学受験という手段でした。

冒頭の2パターンのようなレベルであれば、まだ合いそうな中学校を探すのは可能だと思うのです。でも、娘のように、

・不登校を何度も繰り返している
・発達障害特性(感覚過敏、こだわり、母子分離不安等もある)
・勉強遅れがある

このようなケースだと、それでも拾ってくれるような中学校を探すのは難しいのですよね。

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不登校で中学受験できる中学校はあるの?

受験する中学校を探す際に気になったのが、我が家の場合は「不登校」「発達障害」両方の問題があることです。
しかも、不登校と発達障害両方の影響で勉強遅れもかなりあったし、基本的にテストの点数を取れないと合格が難しい中学だとまず無理なんですよね。

不登校 →受験にあたって内申書が影響するか。出席日数や成績は試験に左右されるのか。
発達障害→入学後に子供の特性を配慮してもらえるか。

このような問題を確認する必要があります。

そして、小学校の担任やスクールカウンセラーなどと色々相談した時に候補として挙がったのが以下の中学校でした。

東京シューレ葛飾中学校
星槎中学校(横浜)
明星学園中学校
和光学園中学校

ただ、明星学園や和光学園を受験するには勉強がきちんとできている必要があるので、勉強遅れのある娘にとっては難易度がかなり高く、最初から諦めていました。

星槎中学については体験授業を受けたところ、娘が先生方や周囲の子供達の様子に戸惑っていた様子でした。この中学は発達障害児に理解があるので期待していたのですが、娘には合わない様子でした。そして、最終的に東京シューレ中学のみ受験することにしました。

東京シューレ中学は不登校児専門に受け入れてくれる中学校なので勉強遅れへの理解があるし、個別相談したところ「発達障害があっても問題ない」という話でした。また、母子分離不安があるため、母から離れて受験するのが難しい可能性が高いと伝えたのですが、同室で受験可能と言ってもらえたのです。

合格するかどうかは不明でも「とりあえず受験という入口には立てるのかな」という希望が湧いてきました。

八王子市立高尾山学園のこと

その他、公立では不登校特例校の1つである八王子市立高尾山学園も候補の1つとして挙がったのですが、こちらは小学校の時点で八王子に住民票を異動して、八王子市の小学校に在籍し、適応教室に通う等の複雑な条件があります。更に、そういう過程を経ても、実際に高尾山学園に合格できるかどうかはかなり微妙という説明もありました。

過去に、高尾山学園に行きたいため事前に引っ越ししたけど、最終的に合わないので断念し、再度引越ししていった家庭があるのだとか。

この学園は小規模で募集人数が少ないし、相性が難しいことを考慮すると、「市外から無理に引越しして受験したいという発想をしない方が良いでしょう」と八王子市教育委員会から言われたので断念しました。

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勉強苦手な子供が中学受験した!

試験勉強は本人なりに頑張った

娘の場合、

中学受験に失敗すると支援級に行くしかないので困る!

支援級は騒がしくて落ち着かないから嫌!

という気持ちもあり、東京シューレ葛飾中学校を受験してみようという気持ちが芽生えてきました。
この中学校の入試は課題作文と面接だけなので、勉強遅れがあっても受験に差し支えありません。成績優秀かどうかというよりも、「シューレ中学で何をやりたいのか」という意欲を作文や面接で確認されるとのことでした。

そこで、入試までは約4ヶ月しか無かったのですが、学校に相談したところ、作文なら学校に来る時に見てあげるよ、と言ってもらえたので、そこからクラス担任の個別対応やスクールカウンセラーとどんな内容を書いたら良いのかなど、棚卸ししたり実際に文章を書く練習などをやっていきました。

娘は過去2度の不登校で鉛筆を持つのも拒否するくらい勉強を嫌がっていたのですが、中学受験という目標ができたおかげで少しずつ文章を書くようになっていきました。そして、

試験勉強とは別だけど、折角だから卒業文集の作文を書いてみようよ!

とクラス担任が誘ってくれたので、先生と一緒に考えて数百文字の作文を完成させました。娘らしさの出た作文で、先生方にも褒められてすごく嬉しかったようで、ちょっぴり自信が芽生えた様子でした。

ただ、小学6年生の秋冬は学校でも文化祭や発表会、社会科見学などの行事が盛り沢山で、学校ではきちんとした試験対策ができませんでした。最終的に、家でマインドマップを書いて、そこから文章を書く練習をする等の対策を行いました。
参考にしたマインドマップの描き方はこの本です。
   ↓

受験当日の様子

試験本番で何が課題として出るのかはあらかじめ予測できていたし、シューレ中学の場合は多少ズレてしまっても、本人の意欲が感じられればOKと個別相談の際に聞いていたので、縁があるかは分からないけど、

「シューレ中学でどんなことやりたいか」を作文用紙いっぱい書いておいで!

と話しておきました。
その結果、本人としては、頑張ったつもりらしいけど、

8割程度しか書けなかったよ・・・

と残念そうでした。

そして、作文以外に1つ創作的な課題が出されました。試験は同室で待機できたので、作業途中をちらっと覗き見したところ、図工と算数的なセンスがあれば面白い作品ができるのに、という課題でした。

でも、娘は不器用かつ算数苦手なので全然意図が分からず。それでも、分からないなりに必死で考えた作品に仕上がっていたので、『ご縁がありますように』程度の合格見込みだろう、という感触でした。

そして、面接も無事に終わり帰宅しました。

不合格通知が届く

合否は郵送とのことで週末ドキドキしていましたが、意外と早く、週明けに通知が届きました。そして中を開封すると、「不合格」とのお知らせが・・・orz

ガッカリしたものの、募集枠よりも受験者数が結構多かったので仕方ないという気持ちもありました。試験当日の周囲の子供達の様子を見ると、娘のような不登校気味で引っ込み思案のタイプもいたけど、ハキハキ話し、意欲的な子供も沢山いたのですよね。不登校というと娘のような「引きこもり系」の子供が多いと思い込んでいたのですが、受験会場に行ったことで、いろんな子供がいることを初めて知りました。

中学校としては、入学した生徒が伸びて生き生きと輝くことを期待しています。やっぱり、そういう子供を合格させますよね。娘の場合は、本人比では頑張ったとは思うけど、試験に受かるかどうかは相対評価になるし。縁がなかったのは仕方ないと思います。

東京シューレ中学で特筆すべきことに「不合格通知」があります。奥地校長先生の心遣いがきめ細やかなんですよね。単なる「不合格」の通知だけではないのです。そこには、「不合格になってしまって途方に暮れている子供達へのメッセージ」が書いてあったのです。

もう既に捨ててしまっているのでうろ覚えですが、

「シューレ中学に入学できないでどうしたら良いのか分からない、と悩むかもしれないけど、フリースクールなどに通う方法もありますよ。」

というようなことが書かれており、今後の人生へ希望が持てるような言葉が印象的でした。(あと2つ、具体的に明記されていたのですが、すっかり忘れてしまいました。)

我が家でも、支援級に通うのが難しいと感じてスタートした中学受験だったので、不合格になったのは痛かったですが、この文章を読んでいるうちに、不合格になったことで、長い目で見れば娘にとって本当に良い進路選択ができるのではないか、と思えるようになりました。

さいごに

こうして中学受験は不合格という結果で終了しましたが、娘が受験を頑張ろうと思えたのは予想外の収穫でした。

まあ、本音を言えば、娘の頑張りだと他の受験者よりも努力が足りないのは明らかだよな、と試験当日の様子から見て感じていたのですが。それでも、娘が不登校で躓いて数年間休息中だったことを思えば、中学受験を機に再スタートすることが出来て良かったです。そして、高校以降の進路や就職などへ繋がるようにすることこそ重要なんですよね。

一般的な中学受験を考える親や子供にとっては、我が家のような受験はぬるま湯以前の次元でしょうけど、不登校を脱却する上での娘の意識改革になった貴重な体験でした。

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この記事を書いた人
遅咲き星人の母

小学校と中学校で3回不登校した娘がいる主婦です。
現在は通信制高校のサポート校に通学しています。
娘は発達障害(IQ測定不能)のほか、母子分離障害、不安神経症、体幹の弱さ、感覚過敏(主に触覚過敏、嗅覚過敏、聴覚過敏)が酷くて集団活動が超苦手で勉強の遅れもあります。
でも、この数年間は支援者に恵まれ、親子共に少しずつ自己肯定感がアップしてきました。今は、家族とペット(セキセイインコ)が元気で楽しく過ごせる方法を日々考えながら、楽しく生活してます。

(詳しいことを知りたい場合は管理人名をクリックするとプロフィールページに移動します。)

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